通わないとどうなる?インプラントの定期メンテナンス7つの疑問

インプラントの治療が終わった後の定期メンテナンスは、最初は気をつけて通う人が大半だと思います。しかし、だんだん時間が経つにつれて用事が入ってしまったり面倒で行くのをやめてしまったりと、間隔が空いてしまう人もいるのではないでしょうか。実は、メンテナンスに通わないと大きなリスクを背負うことになるのです。
- インプラントのメンテナンスに通うのが面倒…。
- もう1年以上も過ぎてるんだからメンテナンスに行かなくてもいいのでは?
- メンテナンスはどうして何年後までも通わなきゃいけないの?と思っている
- 治療の他にメンテナンス費用もかかるのは正直納得がいかない。
- 引っ越しなどで治療していた歯医者さんに通えなくなったらどうすればいいのか知りたい
1.メンテナンスに通わないとどうなる?
定期メンテナンスに通わないと起こるリスクは、以下のようなものです。
もし異常があっても気づくのが遅れる

インプラント治療は、時間が経つほどインプラント体と骨の結合が強くなりますが、まれにうまく結合できないことがあります。特にインプラントと骨が結合せずに隙間ができてしまうと、そこから細菌が入り込んで細菌感染を起こす原因にもなります。定期メンテナンスでは、そのようなことが起こる前に異常に気づいて適切な対処をすることができますが、もし定期的な観察を怠ると異常やトラブルがあっても気づくのが遅れてしまうのです。

大事になる前にトラブルの芽を摘み取ることができます。
痛みなんかが出てからだと遅い場合もあるんですね?

そうですね。
インプラント周囲炎になりやすくなる

インプラントは、インプラント周囲炎という病気にかかりやすいです。インプラント周囲炎とは、健康な歯がかかる歯周病のようなものです。ただし、歯周病よりも進度が早く、どんどん骨が吸収されてインプラントを支える土台がなくなってしまうため対処が遅れると元通りにインプラントを埋入できないこともあります。
定期メンテナンスでは経過観察のほかにも専門機器によるクリーニングや、その人にあった歯磨き指導などを行います。

軽度のインプラント周囲炎なら洗浄で落ち着かせることができます。
そうなんですか。それは早く発見してもらったほうがいいですね。
インプラント保証がきかなくなる

もうひとつ重要なのは、定期メンテナンスに通っていないと万が一の場合に保証が使えないということです。例えば事故などで欠損してしまった場合、再治療が必要になります。そんな時に役に立つのが契約時に入った保証です。どのインプラントもたいてい5年〜10年の保証がついており、保証期間内であればほとんど無償で再治療を行ってくれます。しかし、保証を利用する際には「定期メンテナンスに通っていること」が条件になっているのです。

保証がきかないと最初にかかったのと同じ額を払わなければならないこともあります。
それはとんでもないな!
2.インプラントのメンテナンスって何をするの?

インプラントの定期メンテナンスは、具体的には以下のような項目があります。
- かみ合わせのチェック
- 口内のチェック
- レントゲン検査
- クリーニング
- ブラッシング指導

内容は医療機関によって多少違いますし、オプションでホワイトニングをされる方もいます。
3.費用はどれくらいかかる?

定期メンテナンスで気になるのは、毎回の費用ですね。どのくらいかかるのかが分からないと、生活費の予定も立てづらくなります。定期メンテナンスの相場は1回1本につき、およそ3000〜5000円と考えて良いでしょう。
4.健康保険は使える?

インプラント治療はメンテナンスも含めて自由診療です。そのため歯科医院によって異なります。

メンテナンスが最初から治療費に含まれているところもあります。
それだと気分的に楽ですね。
メンテナンスは医療費控除が使える
インプラント治療は医療費控除の対象となっています。医療費控除とは、その年にかかった医療費が合計で10万円以上かかった場合、申請すると税金が戻ってくるシステムです。定期メンテナンスも治療の一環とみなされるため、控除の対象となります。生計が同一の家族の分も合算できるため、世帯で高額な医療費がかかった場合には合算して申請できるのです。
ただし、控除の対象になるのは欠損歯など生活に支障がある場合の治療に限るため、審美目的の場合は該当しません。
申請はどうやってすればいいんですか?

年末の確定申告でできますよ^^
5.どのくらいの頻度で通うの?

定期メンテナンスは毎月きっちりと通わなければならないのか?という疑問を持つ人もいるでしょう。治療直後は月に1回通わなければなりませんが、経過が順調であればだんだんと間隔が開いていきます。数カ月後は2〜3ヶ月に一度、1年を過ぎた頃には1年に一度などになるケースが一般的です。

もちろん、気になることがあればもっと増やすこともできます。
クリーニングをまめに行いたい人もいますよね。
6.メンテナンスはどこの歯科医院でやってもいいの?

定期メンテナンスは基本的には治療を行った歯科医院で行います。もし修正や再治療などが必要になった場合には、速やかに対応することが可能だからです。
もし治療後になんらかのトラブルがあった場合、治療と定期メンテナンスを受けている歯科医院が別々だと責任の所在があやふやになります。トラブルの原因がどちらの歯科医院かで保証が適応されるかどうかの判断も難しくなってしまうのです。そのため、特別な事情がない限りは治療したのと同じ病院で定期メンテナンスを受けることになります。

治療後に急に転居した場合には、病院を紹介して連携を取ることもできます。
なるほど、それなら安心ですね。
7.引っ越しなどでメンテナンスに通えなくなったら?

引っ越しなどで遠方に引っ越すことになった場合は、かかりつけ医に相談して転居先の同じメーカーのインプラントを取り扱っている医療機関を紹介してもらいましょう。
高齢でインプラント治療を希望する人で、数年のうちに定期メンテナンスに通えなくなる可能性がある人は、インプラントはおすすめできません。例えば数年後に要介護度が上がる、足腰が弱くなり1人では来院できなくなるなどです。毎日のセルフケアも十分に行えない可能性もあるでしょう。ただし、訪問診療でメンテナンスを行っているクリニックもあります。

高齢者は医師とよく相談するのがおすすめです。
両親にも教えてあげよう。
同時にセルフメンテナンスもしよう!
インプラントはインプラント周囲炎になりやすいため、定期メンテナンスは重要です。もし何かトラブルがあった場合にも早期発見して対応もしてもらえます。ただ、定期メンテナンスと同じくらい重要なのが、セルフメンテナンスです。毎日の歯みがきや歯間ケアで、プラークを作らせないようにすることがインプラントを長持ちさせる秘訣です。
- 定期メンテナンスに通わないとトラブルや異常の発見が遅れる
- 定期メンテナンスに通わないとトインプラント周囲炎になりやすくなる
- インプラント保証は定期メンテナンスに通っていることが条件
- 定期メンテナンスは自由診療で相場は3000〜5000円前後
- 通う頻度は最初は数ヶ月に一度、その後だんだん間隔が開いてくる
- 基本的には治療した病院で定期メンテナンスを受けるのが一般的