インプラントが変色した!?インプラントを美しく保つための予備知識

インプラントの代表的なメリットといえば、よく噛めるようになることと天然歯のような美しい歯を手に入れられることです。また、インプラントは何十年ももたせることができます。それなのに、インプラント部分が黒ずんだり茶色くなったりしてしまったら、とてもがっかりしますね。
この記事では、インプラントが変色する理由や、インプラントの変色を防ぐ方法などをお伝えします。
- インプラントが変色した気がする
- これからインプラントを入れるけど、変色するかどうか不安だ
- インプラントが変色したら、交換することはできる?
- インプラントを変色させないためにはどうしたらいいの?
インプラントが変色したと感じる3つのケース
インプラントが変色したと感じるのには、以下の3つのケースがあります。
インプラント周囲炎で歯ぐきが黒ずんで見える

インプラントを入れている部分が黒ずんで見えるのには、歯ぐきが薄くなって中の金属のインプラント体が透けて見えている可能性があります。
インプラントはインプラント周囲炎という病気にかかりやすいのですが、インプラント周囲炎は歯周病と似たような病気。かかると細菌が炎症を起こしながら進行し、歯ぐきを後退させてしまうのです。
インプラント体の材質は様々な種類がありますが、使っているインプラント体が銀色の金属の場合は透けると歯ぐきが黒ずんで見えるというわけです。
インプラントの根っこの部分ですね。

はい。重症化すると骨まで侵されてインプラントを支えられなくなります。
タバコの成分で歯ぐきが黒ずんで見える

タバコを吸っている人の場合、タバコの成分が歯ぐきの血行を悪くするので黒ずんで見えることがあります。喫煙はインプラント周囲炎にかかりやすくなり、骨との結合も妨げます。
タバコの成分ってタールとかニコチンですか?

主にニコチンが悪影響を及ぼすといわれています。
プラスチックの人工歯が変色した

インプラントの被せものに変色しやすい素材を使っていると、食べ物の着色汚れなどで変色してしまうことがあります。
着色しやすいのは主にプラスチックです。ほとんどの場合セラミックが選択されますが、治療中の仮歯の段階ではプラスチックが使われることが多いです。プラスチックは色素沈着しやすい素材ですが、インプラント体と骨が安定したら、仮歯を取り除いて変色しにくい本番用の人工歯に取り替えます。
差し歯の場合はプラスチックを使うこともありますか?

そうですね。その場合は前面だけ取り替えることも可能です。
インプラントに使われる材質

黒ずみには材質が関係するとお伝えしましたが、インプラントに使われる材質はインプラントの構造ごとで異なります。
- チタン
- チタン合金
- ジルコニア
- チタン
- 金合金
- ジルコニア
- ハイドロキシアパタイト(表面加工)など
- セラミック
- ジルコニア
- ハイドロキシアパタイト(表面加工)など
インプラント体に使われるチタンは、金属の中でもっとも骨に結合しやすく、金属アレルギーにもなりにくい材質です。ほかの金属のように溶け出して体内に流れ込むこともありません。現在インプラント体に主流で使われているのはチタンですが、まれにチタンアレルギーを起こす人もいます。その場合はジルコニア製のインプラント体を使用します。
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれるもので、金属ではありません。セラミックは陶器と同じ素材と考えるとイメージしやすいでしょう。被せもので使うことの多いジルコニアやセラミックは強度が高く、微妙な色を表現できるので自分の歯に限りなく近づけた見た目で作ることができます。

今は技術も格段に進歩して、材質も良くなっています。
昔の銀の詰め物みたいに溶け出すということは?

インプラントに使うチタンはとても硬くて耐熱性もあるので溶ける心配はありません。
インプラントを変色させない方法
インプラント自体が変色することはありませんが、インプラント周辺が変色するのは主にインプラント周囲炎が原因です。変色を防ぐには以下のようなことを心がけると良いでしょう。
日頃のメンテナンスをしっかりと行う

日頃のメンテナンスといっても、特に難しいことをする必要はありません。健康な歯と同じように、毎日の歯みがきや歯間ケアをするだけです。
インプラント周囲炎になる原因は、歯周病と同じく「歯垢」。食べた後に歯垢を作らせなければ、インプラント周囲炎は簡単に予防できるのです。
インプラント治療後は定期検診に通うことが必要ですが、歯科医院では自分でできない部分のクリーニングを徹底的にしてくれます。日頃の歯みがきなどと定期検診で、インプラント周囲炎を予防するのが望ましいです。
自宅でのケアは毎食後と寝る前でいいんですよね?

はい。そのくらいやっていればバッチリです。
タバコをやめる

タバコはインプラントの天敵ともいうべきもの。喫煙していると歯ぐきの黒ずみから炎症が発見しにくくもなり、気づいたときにはインプラント周囲炎がかなり進んでいるといった事態に陥ることもあります。病気にならないまでも、歯ぐきの血色が悪くなれば、顔全体の印象もダウンさせてしまいます。
タバコを吸っている人は本数を減らし、できればタバコを止めるのが望ましいです。

タバコの害は本当に重要視されていて、複数の学会で禁煙対策を推進しています。
歯科医院でホワイトニングを行う

インプラント自体をホワイトニングしても効果はありませんが、埋入当初に比べてインプラントと周りの歯との色が違ってきてしまった場合には、周りの歯をホワイトニングすることが可能です。
なかにはインプラントの定期メンテナンスの日にホワイトニングをあわせて行う人もいます。
一緒の日にできるのは便利ですね。

対応しているかどうか相談してみると良いですね。
インプラントを変色しにくい材質にする

後々変色などが気になるようなら、インプラント治療を始める時に、変色しにくい材質を選ぶと良いでしょう。変色しにくい材質はセラミックやジルコニアです。強度などの問題もありますので、前もって相談することをおすすめします。
また、治療後時間が経っていても、被せものの人工歯だけを作る替えることができます。

ただし費用がかかりますので、医師とよく相談しましょう。
変色を防いでいつまでも美しいインプラントを保とう!
現在インプラントのほとんどは変色しない材料が使われていますが、インプラント部分の歯ぐきが黒ずんでいたりほかの歯が変色したりしていると、インプラントだけが浮いて見えてしまうことがあります。
特に、インプラント周辺の変色を防ぐには、インプラント周囲炎にならないことが近道です。日頃からケアや定期メンテナンスに通い、美しいインプラントを保ちましょう。
- 歯ぐきが薄くなってインプラント体が透けて見える
- タバコの成分が歯ぐきの血行を悪くしている
- プラスチックの人工歯は色の沈着を起こす
- インプラントの材質のほとんどは変色しにくい
- 変色を防ぐには色素沈着させないようすぐに歯を磨く
- タバコをやめて歯茎の血行を良くする
- プロのホワイトニングを受ける
- これからインプラントをする人は変色しにくい材質がおすすめ