インプラントの治療費が戻ってくる!?医療費控除の内容と申請方法

インプラント埋入は高額な治療ですが、支払った金額の一部が返ってくることをご存知ですか?実は、しかるべき手続きをすると、治療費の一部をバックしてもらうことができます。その手続とは、医療費控除を受ける申請です。ケースによっては半分もの金額が戻ってくることもあります。この記事では具体的な手続きの方法などをご紹介します。
- インプラントの治療費が医療費控除の対象だと聞いたので詳しく知りたい。
- インプラント治療にお金がかかった…補助金などの制度はないのか?と思っている。
- インプラント治療の医療費控除の具体的なやり方について知りたい。
インプラントの費用は医療控除の対象
インプラントの治療は高額なため、医療費控除の対象です。いったん支払ったインプラントの治療費が、あとで戻ってくることがあるのです。
医療費控除とは?

医療費控除とは、年間の医療費が一定額を超えた場合に所得控除が受けられるしくみのこと。所得控除を受けた分は、課税所得に含まれません。つまり、その分税金が安くなるのです。確定申告をして医療費控除の申請をすると、あとで還付金として戻ってきます。
医療費控除を受けられるのは、1年間に10万円を超える医療費を支払ったときです。また、所得によっては10万円に満たなくても支払われることがあります。

意外に知らない方が多いんです。
これは使わないともったいないですね。
医療費控除の計算式は?

まずは、所得控除額を計算します。
●所得控除額×10%=住民税の減額金額
国税庁ホームページより平成27年分以降(2020年2月現在)
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 | |
---|---|---|---|
1 | 195万円以下 | 5% | 0円 |
2 | 195万円~330万円 | 10% | 97,500円 |
3 | 330万円~695万円 | 20% | 427,500円 |
4 | 695万円~900万円 | 23% | 636,000円 |
5 | 900万円~1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
6 | 1,800万円~4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
7 | 4,000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
- 支払った医療費50万円
- 年間所得金額300万円
- 生命保険などで補填される金額0円
上記の例の場合、医療費控除の対象となる金額は40万円で、所得税の還付金額は4万円、住民税は4万円です。所得税の確定申告を行えば、次年度の住民税も安くなります。
こんなに違ってくるなんて!
家族の医療費も合算できる「高額医療費制度」

医療費控除のほかに、支払額が高額になった場合に適応される精度もあります。それが、高額医療費制度です。この制度は、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が限度額を超えた場合に払い戻しを受けられるしくみで、家族の分も合算できます。生計を同じにしている同一世帯での合計医療費が限度額を超えた場合には、払い戻しされるのです。
限度額は年齢や所得状況に応じて設定されますが、所得が低い場合には限度額の設定がそれほど高くないので、意外に対象となる場合があります。自分で判断せずに調べてみましょう。それぞれの健康保険事務所などに問い合わせてみてください。
※払い戻しには審査があるため、実際に戻ってくるまでには診察日から3ヶ月くらいかかります。

上手に精度を利用すれば、自己負担はとても軽くなります。
そうですね。これは知りませんでした。
費用の半分以上が戻ってくるケースも!?

所得金額によって税率が定められているので、所得が多いと所得税も高くなります。そのため支払った医療費の半分以上が戻ってくるケースもあります。

分からなければ、もよりの税務署の窓口で相談してみましょう。
なるほど、そうですね。
どこまでが医療費控除の対象になるの?
医療費控除の対象となるのは、診療や治療、療養費として医師や歯科医師に支払った治療費です。具体的には、以下のものとなります。
医療費控除の対象となる治療内容

一部の歯列矯正や医療器具にあたるインプラントは、医療費控除の対象となります。ただし、やむを得ない事情で歯を失ったケースに限ります。審美目的でのインプラント治療は控除対象外となるため、注意しましょう。

あくまでも生活に支障が出るという理由での治療が対象です。
通院にかかった交通費

治療のための通院にかかった交通費も、医療費控除の対象となります。電車やバスなどを使った際には、きちんと控えておきましょう。ただし、マイカーで通院した場合のガソリン代や駐車場台は対象外です。基本的には公共交通機関のみですが、交通機関が少なくタクシーしか移動手段がない場合には、タクシーの料金も対象となります。

電車やバスは領収書やレシートがなくても、控えておけば大丈夫です。
クレジットやローンなどの分割払いは医療費控除の対象?

インプラントの治療費は、ほとんどの人がおそらく、クレジットカードやローンで支払うことになりますが、その場合も医療費控除の対象となります。ただし、金利や手数料に関しては対象とならないのでご注意ください。
また、あくまで年間の支払いに対する控除になるため、分割払いで支払いが年をまたいで翌年にかかる分は、翌年の控除対象となります。

ややこしい場合はクレジット会社などに問い合わせるといいかもしれません。
そのほうが早そうですね。
インプラント治療の医療所控除を受ける方法
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。確定申告の期限までに医療費控除額を記載した確定申告書を作成し、管轄の税務署に提出します。確定申告は毎年2月16日から3月15日までです。
医療費控除できることを知らなかった、うっかりやり忘れてしまったという場合でも、過去5年間にさかのぼって申告することが可能です。
確定申告に必要なもの

確定申告の作成は、国税庁のホームページにある「国税庁 確定申告等作成コーナー」で作成できます。
- 確定申告書AまたはB(給与所得のある人はA、個人事業主やフリーランスの方はB
- 医療費の明細
- 医療費の支出を証明する領収書など
- 給与所得の源泉徴収票
- 印鑑
- マイナンバー
治療にかかったものは全部とっておく必要があるなぁ。
確定申告の手続方法

国税庁ホームページの「国税庁 確定申告等作成コーナー」で確定申告書を作成し、期間内にお住まいの管轄にある税務署に提出します。不明点は管轄の税務署で教えてくれます。分からないことがあったら聞いてみましょう。

事前に電話で混み合う時間などを聞いてみるといいですよ。
ああ、なるほど。できるだけ空いた時間に相談したいですね。
5年前までのインプラント治療費は控除できる可能性大!
インプラントの治療にかかったお金は、多くの場合、確定申告で医療費控除が受けられます。家族との合算で高額医療費なども使えるかもしれないので、一度調べてみるのがおすすめです。
- インプラント治療は医療費控除の対象
- 医療費控除額は所得によって異なる
- 高額医療費制度は家族分も合算できる
- 治療にかかった交通費も対象となる
- クレジットやローンも申請できる
- 申請するには確定申告が必要