【医師監修】インプラントにするタイミングはいつ・どんな時が最適?

【医師監修】インプラントにするタイミングはいつ・どんな時が最適?

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櫻井祐弥先生
櫻井 祐弥 先生
所属:エムズ歯科クリニック下落合
専門:デジタル
東京都出身。東京医科歯科大学を卒業し、インプラント専門医の下で臨床研修を行った後に医療法人社団翔舞会エムズ歯科クリニックに入社。現在、エムズ歯科クリニック下落合院長として診療をする傍ら、子育てと趣味の読書と最近習い始めたゴルフに奮闘している。

インプラント治療をしようと思っても、すぐに治療に取り掛かる場合そうでない場合があります。また、インプラントを検討していても、治療に取り掛かるまでに時間がかかりすぎると、できなくなる可能性があります。

それではいつ、どんなタイミングでインプラントをするのがいいの?という疑問に対し、歯科医監修によるこの記事で説明していきます。

インプラントを考える時

インプラントを考えるのは、以下のような時です。

    • 事故などで歯が抜けた
    • ある日突然歯が抜けた
    • 抜歯をした
    • 歯がグラグラして噛めない
    • 歯周病がひどく骨が減っている

他の治療よりしっかりと固定できるという理由や、歯の根っこが残っておらず、他の治療ができない場合などに、インプラント治療が選択されます。

タイミングが遅れると手遅れになる!?

インプラントを入れたい部分周辺が歯周病などに罹っている場合、骨がどんどん吸収されて骨の量が少なくなります。インプラントを入れるには、十分な骨の厚み高さなどが必要なため、タイミングが遅れると骨がなくなってインプラントを入れられなくなる可能性があるのです。骨の吸収には個人差がありますが、悪条件が揃っていると、わずか2ヶ月程度で急激に顎骨が薄くなるケースもあります。

また、歯が抜けたまま放置しておくと、噛み合わせがおかしくなるので体全体のバランスが崩れ、健康に影響を及ぼすというリスクも高まります。体全体が悪くなれば、歯だけでなく他への治療費や治療に費やす労力などの負担も増えてしまうでしょう。

かみ合わせは私達の体を司る、とても重要なものです。インプラントが必要だと思ったら、まずは歯科医に相談するのがおすすめです。

インプラントを入れるタイミング例

インプラントを入れる、様々なタイミングをご紹介します。

1.すぐにインプラントを入れる

抜歯などをした後、以下のような好条件が揃っている場合には、すぐにインプラントを埋入します。

    • 顎骨に十分な密度・厚み・高さがある
    • 虫歯や歯周病がない
    • かみ合わせに問題がない
    • 喫煙の習慣がない

即時埋入法といい、抜歯して傷んだ組織を除去し、周囲の組織を洗浄して空いている穴にインプラントを埋入します。ただし、急性の炎症が起こってしまった場合や、抜歯したら思ったより骨の状態が悪かった場合は適用されません。

2.歯列矯正をしてからインプラントを入れる

矯正で歯並びを整えてから、インプラント治療に移るケースです。歯並びが悪いと、インプラントに余計な力が加わって、上部の人工歯が欠損してしまう可能性があります。また、インプラントを入れてから歯列矯正をすると、動かしたい歯がインプラントに邪魔されて、動かない場合があります。

そのため、まずは歯並びを矯正してからインプラントの治療に入るのです。矯正には状態によって1、2年以上の期間がかかるため、長期の治療となります。

3.歯周病を治療してからインプラントを入れる

歯周病があると、インプラント周辺の組織にも細菌感染し、インプラント周囲炎になる可能性があります。インプラント周囲炎は通常の歯周病よりも進行が早く、一度かかると治療が難しいため、リスクの可能性を極力取り除いてからのインプラント埋入となります。

4.骨を造ってからインプラントを入れる

インプラントを入れたい場所の顎骨の厚みや高さが足りないと、インプラントを埋入することができません。そういった場合には、造骨手術を行います。造骨手術とは、骨に馴染みやすい人工の補填物を足し、骨を増やすというものです。

人工の補填物は骨の組織と結合し、骨そのもののようになります。結合するまでの期間は、骨密度などによる個人差がありますが、一般的には3ヶ月程度とされています。造骨手術で十分に骨が作られたら、インプラント埋入の治療をします。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れは、以下のようになります。

問診・カウンセリング

初診では、問診カウンセリングを行い、具体的な悩み状態などを詳しく聞きます。カウンセリングは、無料で行っている病院やクリニックもあります。

また、ここで歯以外の病気の有無や、服用しているなどについても聞かれます。インプラント治療は外科手術を伴うため、体全体の骨血液などの把握が必要です。

検査・分析

レントゲン、CT撮影、歯型の採取などで、詳しく検査をしていきます。従来の歯科ではレントゲンと歯型のみでしたが、最近ではCT撮影による三次元的な検査ができるようになりました。CT検査では、顎骨の状態だけでなく、血液や神経の位置まで詳しくわかります。これにより、インプラント埋入のより正確な位置・角度・深さを特定できます。

診断・説明

様々な検査結果を分析した後、治療方針が決まります。治療方針は患者さんに詳しく説明されます。ここで、分からないことや不安があれば、分かるまで聞くようにするのがおすすめです。

もし、不安や疑問が残るようであれば、セカンドオピニオンをお願いすることもできます。「セカンドオピニオンを頼むのは主治医に申し訳ない気がする」という人もいると思いますが、治療はあくまでも患者さんが主役。患者さんが安心して治療を受けられるよう、医師のほうでも快くセカンドオピニオンを紹介してくれるはずです。

インプラント埋入手術

インプラントを埋入します。インプラント手術には1回法2回法があり、1回法はインプラントを埋入した同日にアバットメント(本体と人工歯の接着パーツ)を装着する方法です。2回法は、インプラント本体を埋入した後フタをして縫合し、固定してから再び手術にてフタを取り、アバットメントを装着する方法です。

仮歯・固定期間

インプラントは、埋め込んだインプラント本体と骨結合するまでに、時間がかかります。結合するまでの固定期間には、仮歯を入れておきます。仮歯は本物の人工歯を入れる際の噛み合せの調整や、人工歯を入れるスペースの確保などに使われます。

アバットメント及び人工歯装着

1回法では、インプラント本体と同時にアバットメントを装着しますが、2回法では3〜6ヶ月ほど待って、しっかりと固定したことを確認してからアバットメント及び人工歯を装着します。骨が柔らかい人、造骨手術をする人などは、2回法が用いられます。

定期メンテナンス

インプラントの埋入手術後は、定期的にメンテナンスに通う必要があります。メンテナンスに通うのは、以下のような理由からです。

    • インプラントの状態を確認する
    • インプラント周囲炎になっていないか確認する
    • 口内の状態を確認する
    • 専用の機器でクリーニングする
    • 正しいセルフメンテナンスの方法を指導する

インプラントを長持ちさせるためには、定期メンテナンスは必要不可欠です。インプラントにもし不具合インプラント周囲炎があっても、定期メンテナンスで早期に発見できればすぐに対応できます。また、インプラントには保証がついていますが、定期メンテナンスに通っていないと、修正などが生じた場合に、保証が使えません

注意
まれにインプラントに保証がついていない医療機関があります。保証期間内であればほぼ無料で対応してもらえるため、治療前に必ず確かめましょう。

インプラントの検討はお早めに

インプラントを入れるタイミングは、口内や骨の状態などによって人それぞれです。顎骨が足りない人は造骨してから、歯周病や虫歯がある人は治療してから、噛み合わせが悪い人は矯正してからのインプラント治療になります。

また、インプラントを入れたい部分の骨が吸収してしまう可能性がある人は、できるだけ早期に治療することが必要です。抜歯など歯科医が把握している場合は問題ありませんが、歯を失った場合などは、できるだけ早く医師に相談しましょう。