【歯医者さん監修】正しい歯ブラシの選び方と歯磨きの仕方

【歯医者さん監修】正しい歯ブラシの選び方と歯磨きの仕方

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

歯ブラシは色々な形、大きさのものが売っています。毛の硬さは「ふつう」「硬め」「やわらかめ」と3種類あり、毛の太さも「極細」から「太い」まで、さらにはヘッドの大きさ柄の形状も様々です。結局どれを選ぶのが正解なのかと迷ってしまいますよね。

自分に合った歯ブラシを選び正しい方法で磨くことで、はじめて虫歯予防ができます。今回は、歯ブラシの選び方のポイントと、年代別のおすすめの歯ブラシ、正しい磨き方を詳しく説明します。

歯ブラシの選び方のポイント

歯ブラシの選び方のポイントは、以下の5つです。

    • 毛の硬さ
    • 毛先
    • 柄の形状
    • ヘッド
    • 毛の材質

歯磨きの目的は、プラークを落とすことフッ素を歯の表面に塗ることです。プラークを残せばそこが虫歯菌の巣窟となり、虫歯ができやすくなります。しかし、プラークは粘着質なのでしっかりと磨かなければ除去することができません。フッ素にしてもきちんと歯ブラシを届かせないと歯に残すことができないので、自分に合う歯ブラシで正しく磨くことが重要です。

毛の硬さ

毛の硬さはやわらかめ、ふつう、かためがありますが、硬さは目的によって選びます。基本的には、ふつう=一般的に歯垢を落とす、かため=歯を磨く力が弱い人、やわらかめ=歯ぐきが弱い人、歯周病の人と考えます。

大人はふつう〜かため、赤ちゃんから子ども・高齢者はやわらかめがおすすめです。

特に歯肉炎歯ぐきが弱い人は、歯ぐきを傷つけない「やわらかめ」を選び、出血がなくなったら「ふつう」に変えるなど臨機応変に対応してください。

ただし、上記はあくまでも目安で、例えば触覚が人より敏感でふつうの硬さでは違和感を感じる場合などはやわらかめを選ぶなど、不快感のない歯ブラシを選んでください。

毛先

毛先は目的に応じて長さと太さを選択します。子どもの歯は小さいため毛先が短めのもの、大人の歯は大きいため子ども用より長めを選択します。ただし、あまり長いと小刻みに動かす時にしなりすぎるため、10mm以下のものがおすすめです。高齢者や歯周病の人は、歯と歯ぐきの境目までよく磨ける毛先が細いものを選びます。

柄の形状

柄の形状は曲がっているもの、まっすぐなもの、角張ったもの、親指部分を置く突起があるもの、子ども用にはキャラクターが付いているものなど様々です。柄の形状は実際に持ってみて、磨きやすいと感じるものを選ぶのが良いでしょう。子ども用は長すぎず握りやすいものを選びます。

基本的には、柄がまっすぐ断面が楕円、飾りなどがついていないものがおすすめです。柄が大きく湾曲しているものは上の奥歯の後ろ側などが磨きにくく、持ち手に飾りや突起などがついているものはかえって邪魔になります。

ヘッド

ヘッドの大きさは小さいものから大きいもの、楕円のもの、角張ったものなどがあります。ヘッドが大きすぎると奥歯が磨きにくく、歯に対してヘッドが小さすぎると1本を磨くのに時間がかかってしまいます。

基本的には植毛が縦に3列並んだもので、横幅は自分の親指を横にした幅人差し指の第一関節までの長さが適正サイズの目安と言われています。なお、毛が密集していると、乾きにくく場合によっては雑菌が繁殖しやすくなるのでおすすめできません。

また、毛先がギザギザになっているものや段差があるものより、毛先が均一に揃っている方が、歯ブラシにかかる力が均一になるので磨き残しなくしっかりと磨けると言われています。

毛の材質

毛の材質で一般的なのはナイロンですが、動物の毛なども販売されています。しかし、動物の毛はタンパク質でできているため細菌が付着しやすく、乾きにくいという特徴があります。

また、色がついたナイロンの毛は、色素の成分が混ざっている分弾力性が落ちる場合があります。おすすめなのはやはり透明なナイロンの材質ですが、ナイロンも吸水性があるため、1ヶ月に1回は交換して形状と清潔を守りましょう。

用途別の歯ブラシの選び方

通常の歯ブラシだけでは約60%程度しか歯を磨けないことが分かっています。歯間ブラシデンタルフロスなどを使えば、歯磨きの仕上がりを90%前後にまで上げることが可能です。そこで、目的に応じた補助的な歯ブラシの選び方のポイントもお伝えします。

歯と歯の隙間を磨く

歯と歯の隙間は食物が詰まりやすく、しかもブラシがプラークまで届きにくいため、通常の歯ブラシと併用して歯間ブラシやデンタルフロスを使用します。歯間ブラシは広い隙間に使い、デンタルフロスは細い隙間に用います。ただし、間違った方法で使うと歯ぐきを傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。

歯間ブラシもデンタルフロスも形状に種類があるため、できれば歯医者さんに相談して自分の歯や歯ぐきの状態に合ったものを選ぶのがおすすめです。歯医者さんに相談すると、正しい磨き方も教えてくれます。

奥歯までしっかり磨く

奥歯までしっかりと磨くなら、「タフトブラシ」を使うのがおすすめです。タフトブラシとは全体的に毛先が短く真ん中に行くほど毛先が長く尖った小さな歯ブラシです。毛先はコシが強く、柄の部分が曲がっているため奥歯の裏側までしっかりと磨けます。

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歯周ポケットをしっかり磨く

歯周ポケットは柔らかい歯ブラシで磨くのにプラスして、ポケットクリーナーを使うのをおすすめします。ポケットクリーナーは正面から見るとタフトブラシと似ていますが、側面が薄くなっていて歯周ポケットをより磨きやすくした歯ブラシです。

ポケット ・ クリーナー 1本 ショート

年代別の歯ブラシの選び方

歯ブラシの年代別で見た場合の歯ブラシの選び方です。こちらもあくまでも目安なので、使いやすさや歯と歯ぐきの状態に応じて選んでください。

年代別|赤ちゃん用

赤ちゃんは乳歯が生えるまではガーゼなど柔らかい布で拭ってケアをします。歯が生えてきたら、赤ちゃん用の毛の短い歯ブラシを使用します。

年代別|子ども用

子どもの歯は、6歳くらいまでは年齢刻みに販売しているものを基準に選びます。形状はスタンダードなものがおすすめですが、楽しく歯磨きができるように好きなキャラクターや好きな色を選ばせると良いでしょう。6歳以上は大人用と同じものになりますが、生え変わったばかりの永久歯は柔らかいため、ヘッドの小さめのものやブラシがやわらかめ〜ふつうのものがおすすめです。

年代別|大人用

健康な歯ならふつう〜かためがおすすめです。歯肉炎歯周病が気になる人は、やわらかめの歯ブラシを使いましょう。

また、歯の小さな女性奥歯まできっちりと磨きたい人ヘッドが小さいものを選ぶと良いでしょう。しかし、ヘッドが小さすぎるとたくさん手を動かさなければならないため歯磨きが面倒になってしまいます。そんな時は通常サイズを使い、タフトブラシを補助的に使うのがおすすめです。

年代別|高齢者用

一般的には、高齢になるに従って歯ぐきが弱くなってきます。高齢者用にはやわらかめの歯ブラシがおすすめです。また、電動歯ブラシを使うのも良いでしょう。電動歯ブラシでも毛先がやわらかいヘッド(交換用)が販売されています。

正しい歯磨きの仕方

プラークが付きやすい場所は、歯と歯の隙間・奥歯の溝・歯と歯茎の境目です。しっかりと磨くには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

ポイント1.歯ブラシは正しく当てる

歯ブラシは、磨く場所によって当て方を変えます。

歯の表面:歯ブラシを90°に当てる

歯と歯茎の間:45°に当てる

ポイント2.歯ブラシは軽く持つ

歯ブラシはギュッと握るのではなく、真ん中よりややヘッド寄りの位置を親指と人差指で挟むように軽く持ちます。この持ち方はペンを持つような形になるので、「ペングリップ」と呼ばれています。ペングリップで持つと余分な力を入れすぎることがありません。理想的な力は120~150gと言われ、毛先が広がらない程度です。

ポイント3.歯は小刻みに磨く

ゴシゴシと大きく動かすのではなく、小刻みに動かして1〜2本ずつ磨いていきます。小刻みに動かすというよりは、毛先を震わせるようなイメージです。

ポイント4.磨きにくい場所の磨き方

磨きにくい奥歯の溝前歯の裏などは、以下のように磨きます。

ブラシを縦に動かす

ブラシを回転させる

前歯の裏は掻き出すように動かす

ポイント5.「食べたら磨く」を習慣づける

歯磨きをするタイミングは、基本的には飲食した後です。食事をした後の口内のpH値は酸性に偏っています。通常はアルカリ性の唾液で中和されますが、微量でも食べカスが残っていると酸性になり虫歯の原因となります。

また、寝ている間は細菌がもっとも増殖する時間帯です。夕食を食べて歯磨きをした後、寝る前にもう一度歯磨きをすることで、虫歯や歯周病をしっかりと防ぐことができます。

正しい歯ブラシで虫歯を予防しよう!

虫歯や歯周病は、自分に合った歯ブラシで正しい磨き方をすることでかなりの確率で防げます。歯ブラシは年齢や歯茎の状態などを考慮して選びましょう。また、歯間ブラシデンタルフロス、タフトブラシポケットクリーナーなどを併用するのもおすすめです。

さらに効率良く磨くには、フッ素が十分に入った歯磨き粉を選ぶことです。歯医者さんがおすすめする歯磨き粉を以下の記事で紹介しているので、ぜひ併せてお読みください。

【2020年版】歯医者さんがおすすめする虫歯予防の歯磨き粉5選