インプラント は日本製より海外製?インプラントの間違いない選び方

インプラント は日本製より海外製?インプラントの間違いない選び方

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Doctorbook編集部
Doctorbook 編集部
所属:株式会社Doctorbook
株式会社Doctorbookに在籍する、3名の現役歯科医師。Doctorbookの業務を遂行しながら、それぞれが臨床現場で活躍中。
インプラントシステムをつくっているメーカーは、国内外に200社以上あるといわれています。そのうち、厚生労働省の認可を得ているのは約30社程度です。
インプラントは、歯科医師による個人輸入も可能なので、中にはあまり品質のよくないインプラントを格安で扱っているケースもないとはいえません。
治療にかかる費用は重要な検討材料ですが、決して安価なものではないのだから、なるべく長持ちするきちんとしたインプラント治療を受けたいですね。

欧米では、歯のメンテナンスに関して日本よりも高い意識をもっていることは広く知られています。インプラントシステムも海外製の方が優良なのでしょうか?日本製のインプラントのメリットは…?

ここでは、インプラントメーカーそれぞれの強み、材質の違いによる特徴といった情報と、間違いのないインプラントの選び方を紹介します。

インプラントには多種多彩。費用を節約できるタイプも!

インプラントは多種多彩。上部構造という白い歯の部分を4~6本のインプラントで支える総入れ歯のようなタイプもあります。そういったインプラントシステムを選ぶと、歯1本あたりの費用が割安になります。

全部の歯を入れても4~6本のインプラントで済むタイプも!

オールオン4(フォー)というノーベルバイオケア社のインプラントは、片顎に埋め込むインプラントの本体は最少4本です。

何が画期的かというと、総入れ歯を4本のインプラントで支えられるという点です。総入れ歯とは、片顎10~12本の白い歯がついているものです。インプラントを1本1本埋め込む治療法でしたら白い歯と同じ本数の本体が必要ですから、それが4本で済むというのは大きなメリットです。
インプラント本体の数が少ないので費用も抑えられますし、手術にかかる時間や回数も少なくて済みます。埋め込んだその日に仮歯まで装着できるなど、オールオン4(フォー)は治療期間も短縮できる治療法なのです。
また日本人は顎の骨が少ない人が多い傾向にあります。総入れ歯を長く使用していると、顎の骨に負担がかかって骨吸収といって骨が破壊されて骨量が減っていることも多いです。オールオン4(フォー)は、顎の骨がしっかりとしている欧米人に向けて開発された術式なので、4本のインプラントでは支えきれないと診断されるケースがあります。そういった時は、オールオン6(シックス)といって、埋め込むインプラントの本体を6本に増やす術式に変更することができます。

インプラントメーカーによる違いってあるの?

ノーベルバイオケア社のオールオン4(フォー)やオールオン6(シックス)のような新しいインプラントもありますが、インプラントの研究・技術が躍進している今、メーカーによってそこまでの大差はないといわれています。
インプラントのメーカーは、日本では厚生労働省の認可を受けているところだけでも30社くらいあります。そのほかのメーカーまで含むと、国内外あわせて200社は超えるメーカーが存在するのでは、といわれています。
認可外のものには、あまり知られていないもの、アフターケアがうけられないもの、品質がよくないものも存在します。とはいえ、海外の歯科医師が高い信頼をもっていても日本では無名のメーカーもあるので、日本シェアが高いインプラントが最も優れているともいいきれない部分はあります。
認可外のものでも、患者さんの同意が得られれば個人で輸入して治療に使用することができます。もし、信じられないような格安のインプラントがあるとしたら、粗悪品を格安で使用しているといったケースもあり得ます。ただし、大量輸入してコストを下げ、薄利多売をモットーとしているケースもあるので、一概にはいえません。

品質への安全を第一に考えるなら、価格よりも認可の有無や国内シェアなどに注目して、どのメーカーのインプラントを使っているのか、質問してみるといいでしょう。

海外製のインプラントの特徴とは?

インプラント治療では、厚生労働省の認可を受けたものを採用している歯科医院がほとんどです。
知名度やシェアについては、歯科医療の先進国といわれるスウェーデン、スイス、ドイツ、アメリカのメーカーが、上位につけている傾向にあります。
ここでは高いシェアを誇る代表的なインプラントメーカーの特色を紹介します。

ストローマン社

創業1954年、日本国内でのシェア3本指に入るストローマン社は、精密機器で誉れ高い国スイスのメーカーです。
世界500万人以上の患者さんに1000万本以上のストローマン社のインプラントが埋入されていることから世界シェアナンバーワンともいわれており、しかも極めて高いインプラント手術の成功率を誇ります。
多くの歯科医師から「インプラント周囲炎になりにくいため長持ちする」という意見がありますが、個人の見解によるものではなく、非営利団体ITI学会というインプラントの権威といわれる学会から徹底した学術研究が発表されているのです。つまり、化学的根拠に基づいた厚い信頼を得ているインプラントメーカーといえます。

ノーベルバイオケア社

歯科医療の先進国スウェーデンのノーベルバイオケア社は、世界・日本ともに40年に渡ってトップシェアを誇るといわれるインプラントシステムのパイオニアです。1965年にブローネマルク博士が発見したインプラントを元に、世界で最初の製品展開を行ったメーカーが、ノーベルバイオケア社なのです。
チタンが骨と融合するという研究をインプラントに実用し、インプラント治療をリードする存在として、世界のあらゆるインプラントの基盤を築いてきました。
歴史あるメーカーであることから、国際的な学会での症例発表なども豊富で、オールオン4(フォー)といった新しいインプラントの開発にも長けており、永続的に発展するインプラントメーカーとして期待できます。
10年保証がついているなど、アフターケアについても安心できるのは、実績のある老舗メーカーならではといえるでしょう。

ジンマー・バイオメット・デンタル社

1927年創業、アメリカ合衆国インディアナ州に本社がある筋骨格系のヘルスケアリーディングカンパニーです。ジンマー社の「3iインプラント」は、特殊な表面の構造によって土台となる顎の骨がよくない状態でも融合しやすいインプラントとして1999年にFDA(米国食品医薬品局)に認められています。FDAの認可が下りなければ、アメリカで医薬品や医療機器、食料品、化粧品などの販売や輸入ができない重要な機関です。

アストラテック社

世界的な製薬・医療器具メーカー、スウェーデンはアストラゼネカ社のグループ企業である<span class="font--mc"アストラテック社では、生体親和性に優れた純チタンを使用したデンタルインプラントを開発しています。
アストラテック社のデンタルインプラントの特徴は、歯に埋め込むインプラント本体と、白い歯の部分である上部構造の連結部分の強度。周りの骨に圧がかかると、骨吸収という骨の破壊が進むのですが、アストラテックインプラントは、骨吸収が非常に少ないことが大きなメリットです。見た目の劣化も防止するので、長期にわたる安定した使用感が評価を得ています。

日本製のインプラントの特徴とは?

インプラントの先進国・欧米では、欧米の人々の顎の骨に合わせて企画された製品が多いため、日本では人によってはお口の状態に合わないことがあります。もちろんインプラント治療を行う歯科医師は、そうした事情まで考慮した上で適切に治療を行いますので患者自身が心配することはありません。
日本製のインプラントの場合は日本人に向けて開発された製品なので、日本人の顎にも合いやすい企画になっています。
国産ならではのメリットとしては、修理やメンテナンスの際にも必要な部品や器具が手に入りやすいこと、アフターケアなどのサポート体制にも信頼がおけることなどでしょう。メイドインジャパンの安心感において、強い魅力があるといえます。

京セラメディカル社

国産インプラントの老舗といえば、京セラメディカル社でしょう。国内シェアナンバーワンといわれています。
特徴は、リン酸カルシウムの一種で歯と骨の主成分であるハイドロキシアパタイトで表面をコーディングしたインプラントです。骨量が少ない部位にも埋め込みやすいといった強みがあります。
顎の骨が薄く少ない傾向にある日本人に適した特徴を備えたインプラントです。

インプラントの材質による違いはあるの?

インプラントはメーカーによって、使われている材質に違いがあります。
材質によってインプラントの特徴が異なりますので、歯科医師がお口の状態に適したインプラントシステムを提案してくれます。
例えば、純チタンやチタン合金は、顎の骨とよく融合します。チタンやニッケル合金は、形状の変化が柔軟で、形状記憶ができるという特徴があります。
また、表面の加工法によっても違った特徴が出てきます。あえて粗加工することで骨との融合性を高めたり、滑らかにして骨との接触部分を増やしたり、早期結合に誘導するためにハイドロキシアパタイトをコーティングするなどの表面処理が行われたものがあります。
基本的にネジの要領で顎の骨に埋め込まれるインプラントですが、根の形状もさまざまです。本当にネジのような形をしていて回転させながら埋め込むスクリュータイプ、ネジのようならせん状になっておらず打ち込む要領で植えるシリンダータイプ、中が空洞になっているため骨組織が内部に入り込んで結合力を高めるよう工夫されたバスケットタイプなどがあります。

歯科医師が技量を発揮できるインプラントが一番!

海外製のインプラントの場合、アメリカ歯科医師会によるADA認定といった基準をクリアしたメーカーを信頼できると考える手段もあります。
ただし、メーカー間の大差が無くなってきている今となれば、インプラントそのものよりも、歯科医師の技術や知識といった技量のほうが、優れたインプラント治療の実現のためには重要といえるでしょう。
つまり、歯科医師自身がそれぞれ、自分が厳選・採用し、症例を重ねているインプラントが、最も優れた治療を実践できるということです。
どこのインプラントメーカーのものを使っているからという視点をもつよりも、歯科医師の技術歯科医院の設備に着目したほうが、最良のインプラント治療に巡り合える確立があがるといえそうです。
インプラント治療を受けるときは、歯科医師の話をしっかり聞いて、検討するようにしてください。