フッ素が効く?子どもの虫歯予防に有効な「フッ素塗布」とは?

フッ素が効く?子どもの虫歯予防に有効な「フッ素塗布」とは?

この記事の監修医師一覧

鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業
フッ素が虫歯予防に効くことは、今では広く知られています。
歯の表面にフッ素を塗る「フッ素塗布」は、虫歯予防に有効とされ、世界各国の歯科関連の公的機関でも推奨されている予防法です。特にお子さんは、歯科検診の際、虫歯予防のためにフッ素塗布を受ける機会が多いのではないでしょうか?
市販の歯磨き剤にも、虫歯予防のためにフッ素が配合されています。

とはいえ、フッ素とは、そもそもどんな成分なのか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?本当に安全なの?といった疑問も出てきます。
ここでは、虫歯予防に効果があるフッ素について、一つひとつ、疑問点を解説していきたいと思います。
INDEX
  1. フッ素で虫歯を予防できる?
    1. フッ素の働き①再石灰化を助け、歯を強化
    2. フッ素の働き②虫歯菌の活動を抑制
  2. そもそも「フッ素」ってどんな成分?
    1. フッ素は安全?子どもも使える?
    2. 自然界に存在しているフッ素
    3. 人体への影響は?
  3. 子どもの虫歯予防に「フッ素塗布」は有効?
    1. 世界各国で虫歯予防に推奨されている「フッ素」
    2. 歯科予防の先進国スウェーデンでは「フッ素」を活用
  4. 自宅でできる「フッ素」を使った虫歯予防とは?
    1. 歯科医師がおすすめする「フッ素コート歯磨き」
    2. 「フッ素洗口液」ならお子さんでも簡単ケア
  5. 歯科医院で定期的な「フッ素塗布」がおすすめ

フッ素で虫歯を予防できる?

フッ素が虫歯予防に効きそうなイメージは、テレビCMなどの影響もあって広く根付いていると思います。
なぜフッ素で虫歯予防できるのか、その仕組みと働きについて紹介します。

フッ素の働き①再石灰化を助け、歯を強化

歯には、食事をするたび、歯の表面のエナメル質に含まれるカルシウム・リンといったミネラル成分が溶け出す脱灰という仕組みがあります。
「歯が溶ける!?」と聞くと驚いてしまうかもしれませんが、すぐに唾液のミネラル成分を取り込んで修復される再石灰化までがセットとなって繰り返されていますので、心配はいりません。
そこで、フッ素が活躍します。再石灰化の際にフッ素が、歯の表面のエナメル質の成分と結びつき、歯が強化されるのです。歯が硬質の構造に進化するとミネラルが溶け出しにくくなりますので、虫歯に負けない丈夫な歯に育てられます。

フッ素の働き②虫歯菌の活動を抑制

虫歯菌は、お口の中に残されたを分解して酸を出します。その酸が歯を溶かして虫歯になるのですが、フッ素には虫歯の原因となる菌の活発化を抑制する働きもあります。
フッ素には、歯を強化して虫歯菌を弱めるパワーがあるのです。

そもそも「フッ素」ってどんな成分?

虫歯予防に効果を発揮るフッ素ですが、そもそもどんな成分であるかご存知でしょうか?
安全性人体への影響、使用方法についてもチェックしていきたいと思います。

フッ素は安全?子どもも使える?

フッ素の利用についてはさまざまな見解がありますが、日本では国の方針として、虫歯予防のためにフッ素の利用を推奨すること、適正摂取量についての研究を推進することが発表されています。
子どもの歯科検診でも、虫歯予防のためにフッ素塗布が行われています。
つまり、安全面では過剰に摂取しないかぎり特に心配ないといえるのではないでしょうか。
フッ素の歯面塗布は、WHO(世界保健機関)やFDI(世界歯科連盟)、FAO(国連の食糧農業機関)、国際栄養学会、英国王立医学協会といった世界中の数多くの専門機関や学会にも推奨されている虫歯の予防法です。

自然界に存在しているフッ素

フッ素は、自然界にある元素のひとつ。ほかの元素との反応性が強いので結合して、岩石・海中・地表などに存在しています。
そのためフッ素は、農作物や魚介類にも豊富に含まれています。
だし、フッ素は、食品から体内に採り入れても、あまり虫歯予防には効果はないでしょう。フッ素が直接、歯に触れる方法でなければ、あまり意味がありません。

人体への影響は?

フッ素には確かに毒性はあるのですが、過剰摂取しなければ特に問題はありません。虫歯予防に使用する程度なら中毒症状を起こす心配はないでしょう。歯磨き剤をまるごと何本も食べるような、使用法と異なる使い方をすれば影響が出る恐れはありますが、使用法の通りに使っていれば気にすることはありません。歯科医院で歯面に塗るフッ素は、ご家庭で使う歯磨き剤よりも高濃度ですが、中毒症状が出るほどの量には遠く及びませんので、心配される必要はないでしょう。

子どもの虫歯予防に「フッ素塗布」は有効?

子どもの歯は、大人の歯に比べるととても弱く、虫歯になりやすいものです。あらかじめフッ素塗布で予防しておくと、虫歯のリスクを下げることができます。

世界各国で虫歯予防に推奨されている「フッ素」

フッ素を使った虫歯予防は、世界各国で推奨されています。日本よりも歯科予防の先進国の方が熱心に利用しています。
虫歯が半減した「水道水フロリデーション」
水道水フロリデーションという虫歯予防の方法も、アメリカをはじめオーストラリア・ブラジル・香港・アイルランド・マレーシア・ニュージーランド・シンガポール・英国などの国々に広がっています。
飲料水虫歯予防に有効濃度のフッ素を入れるという、自然界から得る恩恵を採り入れた方法です。厚生労働省の健康情報サイトe-ヘルスネット(2020年1月16日更新の記事)によると、現状では、虫歯が半減したという効果が確認されていると報告されています。

歯科予防の先進国スウェーデンでは「フッ素」を活用

1970年代から予防歯科に力を入れている歯科予防の先進国スウェーデンでは、フッ素を使った虫歯予防が国民の生活習慣に浸透しています。
当時は虫歯の子どもは日本より多いほどだったのですが、1981年頃には日本の約半分まで虫歯を減らすことに成功しました。

今では、「80歳代で歯が何本残っている?」という調査に対し、日本では平均13本のところ、スウェーデンでは21.1本。予防歯科の意識の高さが、約8本もの天然歯の差に出ています。

自宅でできる「フッ素」を使った虫歯予防とは?

虫歯予防に効果的なフッ素塗布ですが、フッ素を使った代表的な予防方法には、歯科医院でのフッ素塗布自宅で行うフッ素ケアがあります。
自宅でできるフッ素ケアにおすすめのアイテムを紹介します。

歯科医師がおすすめする「フッ素コート歯磨き」

「コンクール ジェルコートF」 ウエルテック
歯科医師もおすすめのフッ素コート歯磨きジェルです。高い殺菌力があり、フッ素が歯をコートします。研磨剤が配合されていないので、ブラッシングで歯面を傷めにくく、お口に優しいのも特徴です。
歯磨きに使用してもいいですし、歯磨きをした後、フッ素コートのために二度磨きをして歯列全体に行き渡らすようにすれば、フッ素のパワーを発揮できます。
フッ素コートの力を活かしたい場合は、成分を落としきってしまわないように、ブラッシング後のうがいは1回だけで軽く済ませます。

「フッ素洗口液」ならお子さんでも簡単ケア

「エフコート メディカル」 バトラー
フッ素洗口液を使えば、小さいお子さんでも簡単に虫歯予防ができます。
食後や寝る前に、歯磨きや水うがいをし、その後でフッ素洗口液を口に含んでブクブクとゆすぎます。約30秒間くらいで良いでしょう。
ブクブクしたあとは、水で口をゆすがず、口に残った唾液とともに吐きだすだけに留めましょう。

歯科医院で定期的な「フッ素塗布」がおすすめ

歯科医院でできるフッ素塗布による虫歯予防は、子どもだけでなく、大人にも有効な場合もあります。
虫歯予防のため、定期的に予防歯科を受診している人は、日本では約2%にすぎませんが、予防歯科の先進国スウェーデンでは90%にものぼります。

年齢を重ねても自分の歯でおいしくものを食べられるように、歯科検診とフッ素塗布を習慣化して、虫歯予防の意識を高めていきましょう。