虫歯予防にフッ素コーティングが効く!おすすめの頻度、効果UPのコツ

虫歯予防にフッ素コーティングが効く!おすすめの頻度、効果UPのコツ

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。
フッ素といえば、「フッ素が効く!」といったCMや広告でもおなじみの成分です。
車が好きな方は、車のお手入れでもフッ素コーティングというワードが耳慣れているのではないでしょうか。
フッ素コーティングが虫歯予防に効くことについての認知度が高まっていますが、正しいやり方や頻度まで把握している人は多いとはいえないでしょう。
ここでは、虫歯予防に効くフッ素ケアの方法や、予防効果アップのコツについてお伝えしていきます。

フッ素ってどんな成分?

フッ素は、自然界に分布している元素です。地球の中心にあるマグマに由来する成分なので、海水や岩石などに存在します。農作物や海産物にも含まれているため、ふだんから無意識のうちに口にしていることが多いです。
特に海のものを好んで食べる国民性から、日本では食生活でフッ素を摂取する機会が多いといえます。
ただし、フッ素を虫歯予防に役立てるためには、歯の表面に一定以上の量を直接作用させなければ効果が得られません。食事から摂取しても効果はほとんどないといえるでしょう。

フッ素コーティングの効果とは?

フッ素コーティングは、自宅でフッ素入りの歯磨きを使ったり、歯科医院でフッ素を塗布したりして行います。コーティングというと薄い膜を作ることを想像しますが、この場合はそこまでしっかりと覆いつくすのではなく、フッ素の成分を歯の表面に残して浸透させることを指していることが多いです。
フッ素のパワーで、歯の表面のエナメル質の大半を占めるハイドロキシアパタイトを、虫歯になりにくい硬い性質のフルオロアパタイトに変えることが目的です。
フッ素コーティングが虫歯の予防にどんな効果があるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

効果①虫歯菌の活動を抑制する

フッ素には虫歯菌の活動を抑制する働きがあるので、継続してフッ素ケアを続けていくと、虫歯ができにくいお口の環境をつくります。

効果②虫歯になりかけた状態を治す

フッ素は歯の再石灰化という修復作用を促進させます。歯は、食事をするたびに表面のカルシウムが溶け出し、唾液に含まれるミネラルを取り込んで修復される仕組みです。
ごく初期の軽い虫歯なら、再石灰化で修復してしまうことがあります。

効果③知覚過敏の症状を抑える

フッ素が歯を強くして、知覚過敏の症状を抑えます。
歯は表面のエナメル質が薄くなると、下層の象牙質に外からの刺激が及びます。象牙質の中には神経が通っているので、知覚過敏の症状がでることがあるのです。

効果④歯を溶かす酸の働きを弱める

食事をすると、お口の中は酸性に傾きます。フッ素は酸性が強くなった口内環境を中和させる働きがあります。虫歯菌が酸をつくって歯を溶かしていくため、中和すれば、虫歯に侵されにくい状態に改善できます。

フッ素は虫歯予防に効果がある?

フッ素には、虫歯菌の活動を弱め、歯を強くする働きがあります。
日本はもちろん、WHO(世界保健機関)やFDI(世界歯科連盟)、FAO(国連の食糧農業機関)、国際栄養学会、英国王立医学協会といった世界中の数多くの専門機関や学会で、フッ素の予防効果が認められていて、虫歯予防のための活用を推奨されています。
虫歯予防のために積極的に利用していきましょう。

フッ素塗布は子ども向けの予防?

子どもの歯は大人の歯よりも弱く、噛む面などの表面の溝が深いため歯垢がたまりやすい造りです。そのため虫歯に侵されやすいのです。
フッ素塗布が、学校の歯科検診で推奨されていることもあって子ども向けの予防処置というイメージが強いのですが、大人も予防できます。ただし、向いている人もいますが、それほど効果が得られない人もいます。歯科医院で診断を受けて、自分に適した予防処置の仕方を確認しましょう。

歯科医院で「フッ素コーティング」の疑問

歯科医院でよく行われるフッ素による虫歯予防は、フッ素を歯の表面に施す「フッ素塗布」です。
まずは歯の表面清掃し、エアーなどを当て歯の表面を乾燥させて、フッ素溶液やジェルを塗布します。ピンセットに綿球をつまんで塗布したり、歯型のトレイを歯に装着したり、塗布の方法は様々です。
約3分間ほどフッ素配合の薬剤を浸透させます。
このほかに、フッ素を含んだコーティング剤を塗布したあと、特殊な光を当てて固める方法もあります。ジェルを塗る方法よりも長くフッ素コーティング効果が得られます。

疑問①料金はどれくらい?

歯科医院で支払う料金は、歯の治療であれば保険診療ですが、予防については保険が適用しないため自費診療となります。
フッ素塗布やコーティングは予防に当たるので、保険適用対象外であることが多いです。
とはいえ、1回1000円程度です。小さいお子さんの場合は無料といった設定にしている歯医者さんもありますし、自治体が補助金を出しているケースもあります。

また、治療のためにフッ素塗布が必要と診断された場合は、保険が適用します。お口の状態によって異なりますので、歯科医院で確認しましょう。

疑問②必要な時間は?

小さな子ども無料フッ素塗布ができる歯科医院は多いのですが、数十秒で終わるフッ素塗布の場合は、そこまで高い効果が期待できません。
フッ素塗布で本当に虫歯予防の効果を狙うなら、フッ素をしっかりと歯の表面に浸透させる必要があります。そうなると、歯科医院によって差はあるといっても時間がかかります。
「無料だから」というよりも、きちんとフッ素塗布の処置を行っている歯科医院を選ぶようにしましょう。
MEMO
フッ素の効果を持続させるために、フッ素塗布の処置後、30分~1時間は飲食を控えることも大切です。

疑問③処置を受ける頻度は?

フッ素塗布を行う頻度は、3~4カ月に1回くらいがおすすめです。
自治体によっては子どもがいる家庭に、無料でフッ素塗布の予防処置を受けられる案内が送られてくる場合もあります。年2回くらいが多いでしょう。
虫歯が再発しやすい口内環境になっている等、一人ひとりのお口の状態によって多少の違いはありますので、歯科医院で診断を受ければ最適な頻度わかります。

セルフケアで「フッ素コーティング」のコツ

自宅でフッ素ケアを効果的に行うためには、2回磨きがおすすめです。
    • 1回目は、フッ素が配合された歯磨き剤で全体を磨き、しっかり口をすすいで汚れや歯垢を落とします。
    • 2回目は、フッ素配合ペーストやジェルを使い、歯ブラシで歯面に塗る感覚で歯を磨きます。

効果UPのコツ①フッ素を口の中に長く留める

フッ素の効果を得るために、ジェルを歯の表面全体に塗り、歯磨きを終えた後は歯列全体にフッ素が行き渡るようにします。唾液は捨てずに暫く口に含んで歯に浸透させると良いでしょう。

効果UPのコツ②口のすすぎは軽く1回だけ

2回目の歯磨きで使用したフッ素配合ペーストやジェルは、成分がそのまま口に残っていても問題ありません。フッ素の効果を長続きさせるために、水で口をすすぐのは軽く1回だけに留めます。
MEMO
予防歯科の先進国スウェーデンは、フッ素を活かしたオーラルケアを推奨していて、ここ30年で子どもの虫歯を半数まで減らした実績と、80歳以上の高齢者の歯が平均21本残っている(日本では13本)という調査報告があります。
スウェーデンでは、歯磨きの後、口をすすがずにフッ素の効果を持続させる工夫をしています。

効果UPのコツ③就寝前のフッ素ケアがおすすめ

歯を磨くタイミングは、食後が良いというイメージがあると思います。もちろん食後も欠かせませんが、寝る前の歯磨きも大事なのです。
虫歯菌は、就寝中の乾燥したお口の中で活発化します。寝ている間は虫歯ができやすい時間帯なので、できるだけ虫歯菌を除去した状態で眠り、夜間に虫歯が悪化するのを回避しましょう。
MEMO
1日3回の食事の後+就寝前の、1日4回の歯磨きが理想です。