矯正は9歳までには始めたい!歯並びを早く治療する3つのメリットと治療法

矯正は9歳までには始めたい!歯並びを早く治療する3つのメリットと治療法

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

9歳といえば上下の前歯が生え変わる時期。親御さんとしては、お子さんの歯並びが気になり始めるタイミングではないでしょうか?

いつから治療すればいいのか迷っている方も多いと思いますが、不安があるのならまずは早めに歯科医院に相談するのがおすすめ。早めに治療を始めたほうがメリットがあるケースも多いのです。

矯正を9歳までに始める3つのメリット

    • 永久歯の生える位置をコントロールできる
    • 顎の成長を利用してスムーズに治療できる
    • 手術や抜歯しないで矯正できる確率が高まる

永久歯の生える位置をコントロールできる

まだ乳歯がある段階では永久歯が正しい位置に生えてきてくれるかどうかはわかりません。レントゲンなどによる検査で永久歯が変な位置や方向に生えてきそうなときは、乳歯を早期に抜歯するなどして適切に永久歯が生えるのをコントロールできます。

逆に乳歯が早めに抜けてしまうと、その部分の永久歯が生える前に開いたスペースを埋めるように隣の歯が倒れてきてしまうことがあります。この場合は「保隙装置」と呼ばれる器具を用いて、周りの歯が移動してこないようにスペースを確保することが可能です。

顎の成長を利用してスムーズに治療できる

成長期には身長が急激に伸びるように、顎の骨も大きく発達します。この時期に顎の大きさのバランスを整えてあげることで歯並びの不正をスムーズに治療できるのです。特に9歳は下顎が最も成長するタイミング。下顎が小さいことが原因で出っ歯になってしまっているケースでは特に意味があるといえるでしょう。

ポイント
骨格の問題は遺伝的な要因もありますが、噛み方や舌癖、口呼吸などが原因となっているケースもあります。こういった問題を解決するためにも、なるべく早めに歯科医院に相談するのは重要なのです。

手術や抜歯をせずに矯正できる確率が高まる

歯並びが悪くなる原因の多くは、歯がキレイに整列するだけでのスペースが不足していることです。早い段階で永久歯の生え変わりを正しく誘導し、成長を利用して顎のバランスを整えておくことで、抜歯や手術をせずに治療できる可能性が高まります。患者さんの負担が軽くなるのは大きなメリットといえるでしょう。

9歳の子どもの矯正方法

人工歯

まだ乳歯が残っている段階で始める矯正治療を「一期治療」と呼びます。基本的にこの時期に行う矯正治療では、正しい歯並びになるよう導いてあげる「咬合誘導」が目的。大人の矯正ではあまり使われない以下のような方法で進めていきます。

    • 拡大床(床矯正)
    • リンガルアーチ
    • ヘッドギア
    • 機能的矯正装置(バイオネーター)
    • 部分的にワイヤー装置をつける

拡大床(床矯正)

歯列を外側に広げる装置です。成長期に用いることで、顎が横に大きく成長するよう促す作用が期待できます。歯列の内側に装着して使うので目立ちにくく、食事や歯磨きのときには取り外しができるのがメリットです。ただし、つけている時間が短いと効果が見込めません。お子さんに如何にきちんと着けてもらうかが重要なポイントでしょう。

リンガルアーチ

歯の裏側にワイヤーを沿わせて歯列を外側に押し出す装置です。個々の歯を動かすことにも使えます。取り外しができない固定式の装置ですが、細いワイヤーが1本歯の裏側にあるだけでなので大きな違和感はないでしょう。ただし、装置と歯の間に食べかすが挟まりやすいので、歯磨きはきちんと行う必要があります。

ヘッドギア

上顎の奥歯に固定したフェイスボウという装置を、頭に取り付けたヘッドキャップに繋いで引っ張ることで奥歯を後ろに動かします。主に出っ歯の治療に用いる装置で、上顎の成長を抑える効果も期待できます。

非常に目立つ見た目で、運動なども制限されてしまうのが難点。一応見える部分は取り外し式なので、自宅にいるときや寝るときなど、できる限り長く装着するというかたちになるでしょう。

機能的矯正装置(バイオネーター)

自分で取り外しのできる装置です。主に下顎の成長を正しく促すことを目的としています。下顎が小さいことが原因となっている出っ歯や下顎が左右にズレているケースなどで使われることが多いでしょう。基本的には自宅にいるときや寝ているときだけ装着すればOKです。

部分的にワイヤー装置をつけることも

歯をキレイに並べるために大人の矯正で使うようなワイヤー装置をつけることもあります。ただし一期治療では歯全体につけることは基本的になく、前歯の一部分のみになるケースがほとんどでしょう。

9歳の子どもの矯正費用

矯正の治療費は基本的に保険適用外となります。HPなどに治療費が記載されていても検査費用や毎回の調整費用などは含まれていないことも多いので注意してください。事前に費用を確認するときは内訳をチェックしましょう。おおよその相場は以下の通り。使用する装置によって金額に差が出ます。

検査・診断費2万〜5万円
治療費(装置代)10万〜50万円
調整・観察費5,000円程度

9歳の子どもの矯正の注意点

成長具合によっては治療が長びく

乳歯から永久歯に生え変わるタイミングや、顎が成長する時期には個人差があります。成長するペースも一定ではないため、子どもの矯正では当初の計画通りに治療が進まないことは珍しくありません。想定より時間がかかってしまうケースも多いでしょう。

完全に永久歯に生え変わってから通常の矯正治療をするケースも多い

早い段階から治療を始めても、すべて永久歯に生え変わってから改めて通常の矯正(二期治療)を始めるケースは少なくありません。永久歯の生え方や顎のバランスを完璧にコントロールすることはできないからです。

子どもが装置をつけるのを嫌がることも

矯正は治療期間が長く、自分で取り外し可能が装置もあるため、患者さんの協力が必要不可欠です。しかし、子どもは自分の歯並びに問題意識をもっていないことも多く、治療に対して積極的でないこともしばしば。装置をつけることや通院を嫌がってしまい、治療が思うように進まないケースもあるでしょう。

歯並びが気になるなら矯正は早めに相談するのがおすすめ

矯正はなんでもかんでも早く始めたほうがいいというわけではありません。歯並びの状態によっては、完全に永久歯に生え変わるまで様子を見るべきだと判断されることもあるでしょう。ただし早期に治療を開始したほうがメリットがあるケースが多いのも事実。いずにしても自分では判断が難しいので、歯並びが気になったら早めに歯科医院に相談しましょう。

子どもの矯正は親だけでなく本人のやる気が大切になってきます。治療を始める前によく話をして、「治したい」という前向きな気持ちを作ってあげることが成功のポイントといえるでしょう。