正しい噛み合わせ「アングルの分類」 とは?歯を長持ちさせる大事なこと

正しい噛み合わせ「アングルの分類」 とは?歯を長持ちさせる大事なこと
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歯医者さんに「噛み合わせが悪い。この状態は、アングルの分類Ⅱ級」と診断されて「えっ?アングルの分類?何のこと?」と疑問に思ったことがはありませんか?

矯正などの専門分野の歯科医は、患者さんに知識があることを前提として話される場合があり、基礎的な説明をしてくれずに話が進んでしまうことがあります。

そうなると患者は、「なぜ、噛み合わせが悪いと言われたんだろう?でも歯医者さんがいうなら悪いのかな」と、しっかり理解できないまま治療を受けることになってしまうことになってしまいがちです。

この記事では、矯正歯科の専門医の説明が理解しやすくなるようにアングルの分類について解説します。

この記事がおすすめな人
    • 歯医者で「アングルの分類」という言葉を初めて聞いた方。
    • アングルの分類がどういう意味なのか知りたい方。
    • 噛み合わせが悪いと言われて基準を知りたい方。
    • 歯科医の専門的な説明の理解度を深めたい方。
    • 歯を健康に長持ちするための注意点を知りたい方。
INDEX
  1. アングル分類って何?どこから考えられたことなの?
    1. 噛み合わせの異常(不正咬合)を診断するための指標
    2. アメリカの矯正歯科医 Dr. アングルが考案
  2. 歯科で「嚙み合わせが悪い」といわれた!どこを診て判断しているの?
    1. 見た目だけが問題ではない
    2. 上下の第一大臼歯の位置関係を見ている
    3. アングル分類の基準とは?
      1. アングルⅠ級
      2. アングルⅡ級
      3. アングルⅢ級
  3. 歯を長持ちさせるために大事なことって何?
    1. 歯周病や虫歯を早期発見し、適切に対処する
    2. 適切な噛み合わせに整える
    3. 適切なプロケア+ホームケア
    4. 細菌と力のコントロール
  4. アングルⅠ級をめざして歯の健康を守り長持ちさせよう!

アングル分類って何?どこから考えられたことなの?

患者さん

他の歯医者さんで診断を受けた時のことなんですけど、「噛み合わせが悪い。この状態はアングルの分類2級」って言われたんです。アングル分類って何ですか?

島田先生

噛み合わせ診断の基準ですね。

噛み合わせの異常(不正咬合)を診断するための指標

アングルの分類とは、噛み合わせの診断を行う際の基準です。

アングルの分類に当てはまるかどうかをチェックすることで、出っ歯や受け口などの噛み合わせの異常(不正咬合)を素早く診断できます。

アメリカの矯正歯科医 Dr. アングルが考案

アングルの分類は、1903年にアメリカの矯正歯科医、エドワード・アングル博士が考案しました。

現在も、Dr. アングルの名前を冠したアングル矯正歯科医学会が存在しており、世界の矯正学会でも最高権威を誇る学会です。

歯科で「嚙み合わせが悪い」といわれた!どこを診て判断しているの?

患者さん

噛み合わせが悪いって言われたんですけど、歯並びをそこまで気にしたことはないんです。歯医者さんはどこを診ているんですか?

島田先生

「噛み合わせ」は「歯並び」とは違うんですよ。上下の顎が正しく噛み合っているかどうかを診ます。

患者さん

えっ、噛み合わせって歯並びのことではないんですか~!

見た目だけが問題ではない

誤解されがちなのですが、噛み合わせというのは、横の歯並びのことではありません。上下の奥歯が正しく噛み合っていることをいいます。

そのため、鏡で見ただけでは「特に歯並びに問題があるように思わないけれど?」という疑問が出てくることがあるのです。もちろん、見た目で明らかに異常と分かる不正咬合のケースも多いです。

上下の第一大臼歯の位置関係を見ている

歯科医が「噛み合わせが悪い」という判断をするのは、どこを見ているのかというと、自分で鏡を見ただけでは判断しにくい奥歯の上下の「第一大臼歯」の位置関係を見ています。

第一大臼歯は、乳歯の歯列の後に、一番最初に生えてくる永久歯です。6~7歳ころ生えてくるため6歳臼歯とも呼ばれています。親知らずを含まずに数えると、奥から2番目の歯です。

この、上下の第一大臼歯が正常に噛み合っている状態を「噛み合わせが良い」といいます。ここにズレが生じていると「噛み合わせが悪い」という診断になるのです。

アングル分類の基準とは?

アングルの分類にはⅠ級・Ⅱ級・Ⅲ級があります。

上下の第一大臼歯の噛み合い方を基準に、何級に当てはまるのか診断されます。

それぞれがどんな歯並びの状態を指すのか説明します。

アングルⅠ級

アングルのⅠ級は、正常な噛み合わせです。

上下の第一大臼歯が、正しい位置で咬合している状態です。

島田先生

すべての不正咬合の矯正は、アングルⅠ級を目指して治療を進めていきます

患者さん

噛み合わせが良いとバランスが整うから健康にも良さそうですね~。

アングルⅡ級

出っ歯は、アングルⅡ級です。上の第一大臼歯が前に出て、下の上下第一大臼歯が後に下がっていて、噛み合う位置にズレが生じている状態です。

島田先生

顎関節症など、顎の機能に異常を起こしやすいのでご注意ください。睡眠時無呼吸症候群も、アングルⅡ級に多いといわれています。

患者さん

アングルⅡ級のわたしも、わりと頻繁にバキッと顎関節が鳴るので心配です~。早く治したほうがいいですね……!

アングルⅢ級

受け口といわれる状態が、アングルⅢ級です。

下の第一大臼歯が、上の第一大臼歯よりも前方の歯と噛み合っています。

島田先生

歯を一生使いたいなら、すぐに治療すべき状態です。80歳で20本以上歯が残っていると、食べることに満足できるといわれているのですが、その中に受け口の人はほぼいないという調査結果があります。

患者さん

そうなんですね~。アングルⅢ級は健康リスクが高い状態なんですね。

歯を長持ちさせるために大事なことって何?

患者さん

噛み合わせって、歯を健康で長持ちさせるのに大事な要素なんですね~。

島田先生

その通りです。最後に、歯の健康のために大事にすべきことをお伝えしますね。

歯周病や虫歯を早期発見し、適切に対処する

歯を健康に保つためには、虫歯や歯周病を早期に発見し適切に対処することが大切です。

正しい噛み合わせの基準になる 上下第一大臼歯は、6歳臼歯と呼ばれていて、一番初めに生えてくる永久歯です。

この6歳臼歯は、とても虫歯になりやすい歯です。6歳臼歯が虫歯にならないようにケアできていれば、一生、虫歯と縁のない生活を送れるといわれているほどです。

現在、70歳をすぎて虫歯の少ない健康なお口を維持できている人は、子どもの頃に虫歯にならないよう、甘いものを食べすぎない、歯磨きをするなど、ケアが行き届いていた人であると考えられます。

適切な噛み合わせに整える

アングルⅡ級やⅢ級の状態であれば、噛み合わせがずれていて歯並びはガタガタ、口の中には歯磨きしづらい部分がたくさんあって歯垢や歯石が溜まっていきます。

磨き残しを減らすためにも、適切な噛み合わせに整えておくことが大切です。

小さい子どもの頃から矯正治療を始めれば、簡単なトレーニングのような矯正法で将来の口内環境を整えることができます。

お口の中の状態や治療のスタートに最適な時期は、一人ひとり違います。適切に治療を進めるためにも、早めに小児歯科に相談に行きましょう

もちろん、既に大人になっていても遅くはありません。高齢者も同じです。

気付いた時に、できるだけ早く歯並びを正常なかたちに整え、適切なケアを行うことが大切です。

適切なプロケア+ホームケア

歯の健康維持の基本は、毎日の歯磨きです。食後、そして寝る前には必ず歯を磨きましょう。

1日1回以上は、デンタルフロスなどの歯間ケアアイテムを追加し、念入りなブラッシングを行うようにしてください。

そして、ホームケアで落としきれない蓄積汚れは、歯科の専門的なケアできれいに清掃します。

お口の状態によって異なりますが、健康な人なら3カ月~半年に一度、少し歯の健康に不安がある方なら1~2カ月に一度の定期検診とクリーニングを受けましょう。

細菌と力のコントロール

歯を長持ちさせるためには、細菌を少なくして口内をキレイにすることと、正しい噛み合わせをつくり、歯に余計な負荷をかけないことが大切です。

口内の清掃状態を評価する指標をプラークコントロールレコード(PCR)といいますが、20%以下が理想です。けれども、毎日の歯磨きだけで20%以下を達成するのは非常に難しいことです。

歯ブラシの毛先がどうしても届かない歯と歯ぐきの境目、歯と歯のすき間、歯のデコボコの間などにも汚れが溜まっていて、細菌の棲み処になっているからです。

PCR20%以下を達成して歯を長持ちさせるためにも、定期的に歯科に通院し、メンテナンスを受けましょう。

アングルⅠ級をめざして歯の健康を守り長持ちさせよう!

患者さん

アングルⅠ級を目指せば、歯を長く健康に使うことができるんですね~!だから歯医者さんは噛み合わせをチェックするんですね。

島田先生

その通りです。こうして理解力を高めれば、矯正の専門医と話しても大事なことを聞き逃さずに済みますし効果的な治療を進めることができると思いませんか?

患者さん

そうですね~!アングル分類について知れて良かったです。噛み合わせの治療をやりたいと思うようになりました。

島田先生

あとは、どれくらい歯列矯正に自己投資できるのかという点ですね。

患者さん

そうなんですよね~。噛み合わせの矯正は決して安価なものではないでしょう?どこまで自分にお金をかけられるか経済力の問題にもなってきますね……!

島田先生

噛み合わせの治療は人生にたくさんのいいことをもたらしてくれるのですが、「検討していない」人がまだまだ多いのが現状です。歯の美しさに対する意識を変えていくことの必要性を、もっとお伝えしていきたいですね。

患者さん

知らない人が多いと思うので、もっとたくさんの人に知ってもらいたいですね~!

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記事の重要ポイントをチェック!
    • アングルの分類とは、噛み合わせを診断する際の基準。
    • アングルⅠ級が、正常な噛み合わせ。
    • アングルⅡ級が、出っ歯。アングルⅢ級が、受け口。
    • 80歳でも歯を20本以上保つために、アングルⅠ級を目指す治療を。
    • 噛み合わせの重要性への理解を高め、治療に力を入れる必要がある。