歯肉炎と歯周炎の違いって何?歯周病の進行度合いと治療法を解説!

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歯医者に行った時「歯肉炎ですね」あるいは「歯周炎ですね」と言われることがあります。歯肉炎と歯周炎は似ている言葉ですが、なぜ使い分けているのでしょう

ここでは、「歯肉炎」と「歯周炎」の違いについて詳しく解説します。歯肉炎と歯周炎の違いが分かれば、歯医者で説明を受ける時もより納得して聞くことができますよ。

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    • 歯肉炎と歯周炎はどちらが歯周病が進行している状態?
    • 歯肉炎と歯周炎の違いを知りたい
    • 歯肉炎と歯周炎の治療法は違うの?
INDEX
  1. 歯肉炎と歯周炎の違い
    1. 1- 歯肉炎とは
    2. 1- 歯周炎とは
  2. 歯周病の治療の流れ
    1. 2- カウンセリング
    2. 2- 検査
    3. 2- 基本治療
    4. 2- 再評価検査
    5. 2- 改善しなければ外科治療を行う
      1. 2-5- フラップ手術
      2. 2-5- 歯周組織再生療法
      3. 2-5- 歯周形成外科手術
    6. 2- 口腔機能回復治療
    7. 2- 定期メンテナンス
  3. 歯周病は早めに治療しよう

1. 歯肉炎と歯周炎の違い

歯肉炎と歯周炎は、どちらも歯周病を表す言葉です。その使い分けは、症状の程度の違いです。

歯周病の初期段階では歯肉炎から始まり、重症化するにつれて歯周炎へと移行していきます。

鈴木先生

歯医者では症状の程度が分かるように、こうやって使い分けしているんです。

さるくん

歯肉炎の方が、症状が軽いってことですね!

1-1. 歯肉炎とは

歯肉炎とは、歯茎に炎症が起こり歯周ポケットの深さが3mm以上ある状態をいいます。

歯周ポケットの深さは健康な状態で1〜2mm程度ですが、炎症で3mm以上になると歯周病の始まりといえます。

歯周病は歯と歯茎の境目にプラークがたまることから始まります。プラークから出る毒素によって歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットの溝が深くなります。

歯周病の初期段階である歯肉炎では、以下のような症状が見られます。

歯肉炎の症状
    • 歯茎が赤く腫れる
    • 歯茎に触れると出血する

歯肉炎は歯茎のみが腫れていて、まだ歯を支えている骨(歯槽骨)にまでは炎症が及んでいない状態です。

しかし、歯肉炎の時点で丁寧なブラッシングをすれば、健康な状態に戻すことができます。

鈴木先生

ブラッシングには、プラークを取り除くのと歯茎をマッサージして強くする2つの効果があります。

さるくん

へー、歯周病は初期なら歯磨きで治せるってことですね!

鈴木先生

そうです。

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歯周病の初期段階の症状とは?早期に対応すれば治すこともできる?

1-2. 歯周炎とは

歯周炎とは歯肉炎がさらに進んだ状態です。炎症はさらに悪化してはっきりとした歯周ポケット(真性ポケット)になります。真性ポケットにはさらにプラークが侵入し、歯の根の方まで破壊されていきます。

歯周炎は進行度合いによって軽度・中等度・重度に分けられます。

軽度の症状
    • 歯茎の腫れが大きくなる
    • 出血がある
    • 歯周ポケットにプラークや歯石がたまる
    • 歯槽骨や歯根膜が破壊され始める
中等度の症状
    • 歯茎の腫れがさらに大きくなる
    • 出血がある
    • 歯がグラつき始める
    • 口臭や痛みがある
    • 歯槽骨が半分くらいまで破壊される
重度の症状
    • 歯茎の腫れがますます大きくなる
    • 出血がある
    • 歯がグラグラする
    • 歯周ポケットに膿がたまる
    • 強い痛みがある
    • 歯槽骨が半分以上破壊される
さるくん

こうやって図で見ると怖いですね!

鈴木先生

そうですね。プラークは悪い細菌の塊で、休むことなくどんどん侵入していくんです。

2. 歯周病の治療の流れ

歯医者での歯周病治療の流れは、以下のようになっています。

歯周病治療の流れ
    • カウンセリング
    • 検査
    • 基本治療
    • 再評価検査
    • 外科治療
    • 口腔機能回復治療
    • 定期メンテナンス

ひとつずつ詳しく説明していきます。

2-1. カウンセリング

まずはカウンセリングで症状や日頃の生活習慣などを聞きます。歯周病は喫煙や飲酒、ストレスなどが関係しているからです。

次に行う検査の結果から診断し、どんな状態でどんな治療が必要かも説明し、患者さんが納得した上で治療計画の了承を得ます。

鈴木先生

治療は患者さんが納得しないとすることができません。カウンセリングは情報や意思を共有するのにとても大事なものです。

さるくん

自分の状態や治療法を分かりやすく説明してもらえるのはありがたいですね。

2-2. 検査

検査では以下のことを調べます。

    • プラークの付着状態
    • 歯周ポケットの深さ
    • 歯茎からの出血
    • 歯の動揺※
    • 歯槽骨の状態(レントゲン撮影)

※歯の動揺とは、歯のグラつきのことです。

鈴木先生

歯周病の進行度合いを丁寧に調べます。

さるくん

これによって治療計画が決まるんですね!

2-3. 基本治療

基本治療では、以下のようなことを行います。

    • 歯磨き指導
    • PMTC
    • 歯石除去
    • 咬み合わせの調整

歯磨き指導は単にブラッシングの仕方だけでなく、患者自身が口の中の清潔をしっかり管理する重要性を伝えながら行われます。

PMTCや歯石除去では、歯科専用の機械や器具・薬剤を使って徹底的に口内をクリーニングします。歯の表面に染み込んだ細菌の毒素や歯と歯の隙間、歯周ポケットのプラークをしっかりと除去するためです。

咬み合わせの調整が必要な理由
歯周病は、歯ぎしりや咬み合わせの高い詰め物などが原因で起こることもあります。咬み合わせが悪いと過剰な力が加わり、歯根膜が広がって歯がグラつくのです。歯の咬み合わせを治さないと歯周病を治療しても再び悪化する恐れがあるため、咬み合わせが悪い箇所がある場合は咬み合わせの調整も行います。
鈴木先生

歯の咬み合わせが原因で起こることを「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」といいます。

さるくん

歯周病って、磨き残しとか歯を磨かないことだけが原因じゃないんですね!

鈴木先生

そうですね。咬合性外傷も検査すると分かりますよ。

2-4. 再評価検査

再評価検査は、基本治療を行った後、最初の検査からどのくらい改善しているかを調べる検査です。検査の結果によって、治療方法を修正しながら治療を続けます。

さるくん

時々どのくらい良くなったか確認するんですね。

鈴木先生

そのとおり。

2-5. 改善しなければ外科治療を行う

再評価検査で改善が見られない場合や、歯石が歯周ポケットの奥深くに入り込んで除去できない場合は、外科治療を行います。外科治療には以下の3種類があります。

    • フラップ手術
    • 歯周組織再生療法
    • 歯周形成外科手術

ひとつずつ分かりやすく説明します。

2-5-1. フラップ手術

歯周ポケットの奥深くに入り込んでいる歯石や歯の汚れを除去するために、歯茎を切開して行う手術です。

歯茎に麻酔をかけて切開し、スケーラー※で歯石や汚れを除去したら縫合します。手術後は化膿止めや痛み止めが処方されます。

※スケーラーとは、こびりついた歯石を取り除く器具です。先端が細くなっていて、歯石を直に削り取ります。

2-5-2. 歯周組織再生療法

歯周病によって失った歯周組織を、人工物などで補いながら再生する治療法です。主に歯の支えになる骨(歯槽骨)を再生する時に用いられます。

2-5-3. 歯周形成外科手術

歯周病によって失われた歯茎を元の状態に近い状態にするための手術です。主に見た目の改善のために行われます。

2-6. 口腔機能回復治療

治療によって改善が見られた場合は、仕上げとして詰め物や義歯を装着します。

プラークや歯石を取り除いた部分を保護し、噛む力を補うためです。基本治療で済んだ場合と外科治療を行った場合のいずれにも行います。

さるくん

歯周病治療の総仕上げといったところですね!

鈴木先生

そうですね。ただし、これで終わりではありません。

さるくん

えっ!

2-7. 定期メンテナンス

歯周病は再発しやすいため、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。定期メンテナンスでは再発していないかはもちろん、歯周状態や細菌数、歯磨き状況や生活習慣のチェックなどを行います。

さるくん

定期メンテナンスはどのくらいの期間通えばいいんですか?

鈴木先生

期間は治療する前の症状や患者さんの状態などによって異なりますよ。できれば継続して定期検診を受けるのがおすすめです。

3. 歯周病は早めに治療しよう

歯肉炎と歯周炎は、歯周病の程度の違いで使い分けます。歯肉炎の状態ならセルフケアでも健康な歯茎に戻すことができますが、歯周炎にまで発展すると歯医者での治療が必要です。

気になるようなら自己判断せずに歯医者を受診しましょう。できるだけ早めに状態を把握することが、歯周病治療を早期開始・早期終了するための近道です。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 歯肉炎は歯茎に炎症だけが起きている状態
    • 歯周炎は炎症が歯槽骨にまで及んでいる状態
    • 歯周炎になると、歯茎の腫れや出血、歯のグラつきなどが起こる
    • 歯周病の治療は、基本治療・外科治療・口腔機能回復治療がある
    • 時々再評価検査を行い、改善度合いによって治療計画を修正する
    • 治療が終わっても定期メンテナンスが必要