【基礎知識編】審美歯科とは?一般歯科との違いと治療メニュー

歯科クリニックには、一般的な歯科、矯正歯科、審美歯科などがあります。さらに美容歯科というものまであって、一体何が違うのか、どこに行けばいいのかと迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、審美歯科と一般歯科との違いを中心に、審美歯科について詳しく説明していきます。
- 審美歯科と一般的な歯科の違いとは?
- 審美歯科は何ができるの?
- 審美歯科も健康保険が使える?
審美歯科とは

審美歯科とは、自然な美しさに重点を置いた治療を行う歯科クリニックのことです。黄ばんでしまった歯をきれいにする、欠けてしまった歯に人工のクラウンを被せて自然な見えにするといったことをします。
審美歯科でインプラントとかをやってるところもありますよね?

それは一般歯科が審美歯科やインプラントの施術を兼ねている複合的な歯科ですよ。
へぇ〜、そういうことなんですね〜。
一般的な歯科との3つの違い
では、一般歯科とはどう違うのか、詳しく説明していきましょう。
1.ゴールや目的の違い

一般的な歯科のゴールや目的は、病気を治すこと・身体機能を回復することです。虫歯や歯周病の治療・予防などの他、義歯や入れ歯などが主な内容です。必要な場合は抜歯や根管治療をすることもあります。
一方、審美歯科のゴールや目的は、歯を白く美しく見せることがメインです。歯を削って被せものをして歯並びをよくしたり、虫歯で欠けてしまった部分を治療したりします。

元々歯医者は見た目よりも機能を回復することを第一の目的にしていましたが、それだけだと見た目が置き去りになってしまう例も多かったので、審美歯科という考え方ができたんです。
ってことは、審美歯科って後からできたんですね!
2.治療期間の違い

一般歯科では長い時間をかけて病巣を取り除きます。そのため何ヶ月にもわたるような長い期間がかかることもあります。しかし、審美歯科では数回の通院で完了するので、治療期間が比較的短いのが特徴です。
数回の通院ってどういうことですか?

例えば、欠けてしまった前歯を修復する時、歯の代わりになる薄い板を貼り付けるだけなので1回の通院で終わるといった具合です。
あっ、そもそも治療の内容が違うってことですね!

そういうことです。
3.治療費の違い

一般歯科の場合、治療には健康保険が効きますが、審美歯科の場合は自費診療になります。全額自己負担となるので、治療費が高額になりがちです。

審美歯科は審美目的なので、保険は適用されません。
あっ、確か国の基準で、保険が適用されるのは病気を治すためのもの聞いたことがあります!

そのとおり。病気の治療や身体機能の改善・回復以外は自費診療になるんです。
審美歯科の具体的なメニュー
日本審美歯科協会で定めている具体的な治療内容については以下のとおりです。
- ホワイトニング
- オールセラミッククラウン
- ラミネートベニア
- メタルボンド
- クリーニング
ひとつずつ説明していきますね。
ホワイトニング

飲食によって歯にこびりついてしまった着色汚れを、ホワイトニング剤の塗布によってきれいにします。また、クリニックで行う他に、自宅でマウスピースの中に薬剤を入れて装着するホームホワイトニングもあります。

ホームクリーニングは一般歯科でも行っています。審美歯科で行うことは、基本的に一般歯科でも行えます。
なんか頭がこんがらがってきたなー。

一般歯科でも審美目的の治療は保険が効かないんです。
つまり、審美歯科は審美目的に特化した治療だけをするってことですか?

そのとおり。
なるほど!分かりました!
オールセラミッククラウン

歯の表面を大きく削って被せものをする治療法で、俗にいう差し歯のことです。保険適用ではプラスチックや金属が用いられますが、見た目や経年変色の問題があるため、天然歯と遜色なく美しいセラミックを用います。
前歯の場合、プラスチックとか金属だと、あからさまに目立っちゃいますね。

そうですね。セラミックは耐久性にも優れていますよ。
ラミネートベニア

歯の表面をわずかに削り、薄いセラミックの板を貼り付ける治療法です。すきっ歯の隙間を隠したり、神経を抜いて黒ずんでしまった歯を白くしたりするために用いられます。

ラミネートベニアはとても簡単なので、治療も1日で終わります。
じゃあ、今すぐすきっ歯をどうにかしたい!っていう場合に向いてますね。

結婚式を控えた人や就職活動中の人なんかに人気です。
メタルボンド

金属の芯にセラミックを焼き付けて作られる被せものです。虫歯などで歯を大きく削った時に被せます。内側は金属なので強度があり、外はセラミックなので美しさも満たします。

ただ、金属は経年劣化によって成分が溶けだして歯茎が黒ずんだり、歯茎下がりで金属部分が見えてしまったりというデメリットもあります。
見た目はセラミックから金属が透けて見えるってことはないんですか?

お!鋭いですね〜。確かにオールセラミックよりは若干美しさは劣ります。でもその分強度は強いです。
強度を取るか、見た目を取るかってことですね!
クリーニング

専用の機器と薬剤を使って行う歯のクリーニングです。薬剤は市販のものよりも効果があり、歯の表面、歯と歯の間など、日頃の歯ブラシでは落としきれない汚れまで徹底的に落とせます。

レーザーを使ったクリーニングもありますよ。
へぇ〜、プロが徹底的に掃除してくれるってことですね。定期的にやったら虫歯とか歯周病の予防になりそうですね。

まさにそのとおりです。もちろん一般歯科でも行っています。
安さや早さだけで選ぶことのリスク

審美歯科の中には、安い治療費で行っているところもあります。ただし、安価な材料を使っていることが考えられますので注意しましょう。

セラミックにも色々なメーカーやブランドみたいなものがあって、色や強度は様々なんです。
例えば同じ品種のリンゴでも産地とか等級があるのと一緒ですね。

そうそう、それと同じです。
目的やゴールをしっかりと考えよう
審美歯科の一番の目的は、歯を美しくすることです。ただ、歯の美しさは見た目だけでなく、口内の健康があってこそ。虫歯や歯周病を放置しておくと、せっかく審美歯科で治療したところにまで悪影響が及んでしまいます。治療内容は長期的に考えて選びましょう。
- 審美歯科は歯の美しさが目的、一般歯科は病気の治療や機能回復が目的
- 一般歯科は虫歯や歯周病の治療と予防、義歯や入れ歯などの治療をする
- 審美歯科は見た目を回復するためにセラミックなどを使った治療をする
- 主な審美歯科の内容は、ホワイトニング、セラミックを使った被せもの、クリーニング
- 安さを売りにしているところは安い材料を使っている場合が多い