口臭予防にオリーブオイルが効く?オイルプリングの効果を徹底検証

口臭予防にオリーブオイルが効く?オイルプリングの効果を徹底検証

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

最近メディアなどで紹介されて話題になった「オリーブオイルうがい」。気軽にできて口臭予防に効果があると聞いて気になっている方も多いのではないでしょうか?

オリーブオイルなどの植物油によるうがいは「オイルプリング」と呼ばれています。主にインドで古くから行われてきた伝統的な民間療法です。虫歯や歯周病予防、果ては美容効果まで期待できるとされるオリーブオイルうがいの効果を検証しました。

オリーブオイルの口臭予防効果には明確な根拠はない

実際のところ、オリーブオイルうがいによる口臭予防効果を示す明確な根拠はありません。医師や専門家のなかにはオリーブオイルうがいを勧める方もいるようですが、それを裏付ける研究結果は少ないようです。

オリーブオイルに含まれる脂肪酸や抗酸化成分による効果を期待しているのだと考えられます。

口臭の原因のほとんどは歯周病菌

口を隠す女性

口臭の原因の8割は、お口の中にいる歯周病菌だといわれています。歯周病菌がタンパク質を分解することで悪臭を放つガスを生み出すのです。

オリーブオイルには抗菌作用のある成分が含まれているため、歯周病菌の働きを抑えて口臭を予防できるのではないか?と考えられているのでしょう。

オリーブオイルうがいで期待できるお口に嬉しい効果

明確な根拠はありませんが、オリーブオイルうがいには以下のようなメリットが期待できる可能性はあるでしょう。

    • 鹸化によるお口の洗浄作用
    • 抗菌・抗炎症作用による虫歯や歯周病の予防
    • お口の中を保湿して乾燥を防ぐ
    • お口周りの筋肉を鍛える

鹸化によるお口の洗浄作用

オリーブオイルうがいは、お口の中をキレイにしてくれることが期待できます。オリーブオイルに含まれるオレイン酸などの油脂分が唾液に含まれる水酸化ナトリウムや重炭酸ナトリウムといったアルカリ成分によって鹸化し、洗浄剤の役割を果たすからです。天然の液体歯磨きといったところでしょうか。

「オリーブオイルうがいで黄ばんだ歯がきれいになった」と感じるのも、この洗浄作用によるものと思われます。とはいえ汚れを除去する力は一般的な歯磨き粉よりも弱いでしょう。

MEMO
オリーブオイルは石鹸の原料としてもよく使われます。フランス王室御用達の「マルセイユ石鹸」が有名ですね。

抗菌・抗炎症作用による虫歯や歯周病の予防

オリーブオイルにはフェノール化合物やビタミンA・E・Kなど抗菌・抗炎症作用の期待できる成分が含まれています。お口の中で悪さをする細菌の働きを抑えることで、虫歯や歯周病の予防につながる可能性はあるでしょう。歯周病菌を抑制できれば口臭の軽減も期待できます。

MEMO
うがい薬として知られている「リステリン」も植物性フェノール化合物によって細菌を抑制するものです。

お口の中を保湿して乾燥を防ぐ

オリーブオイルには保湿作用があるといわれています。通常、お口の中は常に唾液で満たされていますが、唾液は虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を抑えて、お口の健康を保つ重要な役割を果たしています。

身体の不調や口呼吸によって口内が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなって口臭もきつくなってしまうのです。唾液が少ない方はオリーブオイルで保湿することで、お口の乾燥による悪影響を軽減できるでしょう。

注意
オリーブオイルなどの植物油を用いた口内の保湿は、病院や介護施設などで実施されている例もあります。

お口周りの筋肉を鍛える

笑顔の女性

オリーブオイルでうがいすることで、お口周りのトレーニング効果も期待できます。粘度が高いため、水でうがいするよりも口腔筋をよく動かす必要があるからです。お口周りの筋肉を鍛えることで、シワやたるみ、ほうれい線などが改善される可能性があります。

ただし十分な効果を実感するには、ある程度時間をかけて行う必要があるでしょう。一般的には5~20分連続してうがいをするよう紹介されていますが、これくらいの時間をかければ、普通に水でうがいしてもかなり口腔筋は使われるはず。実際にやってみると、かなりお口周りが疲れます……

オリーブオイルうがいのやり方

一般的に紹介されているオリーブオイルうがいのやり方は以下の通りです。

    • 先に歯磨きをして歯をキレイにしておく
    • 大さじ1杯ほどのオリーブオイルを口に含む
    • 5~20分くちゅくちゅうがいをする
    • 吐き出す。飲み込んでもOK。

ある程度時間をかけて行ったほうが、オリーブオイルの鹸化による洗浄作用や、お口周りのトレーニング効果を高められるでしょう。

食用オリーブオイルならば、うがい後にそのまま飲み込んでも問題ないですが、油脂分の過剰摂取には注意してください。

ポイント
環境に配慮して、うがい後のオリーブオイルは排水口に流さず、ティッシュなどに包んで捨てるとベターです。

ごま油やココナッツオイルでやる方法も

オイルプリングにはオリーブオイルだけでなく、さまざまな植物油が使われます。うがいによる抗菌作用や洗浄作用については、ココナッツオイルやゴマ油、ヒマワリ油などのほうが良好な結果を得られたという研究報告もあるようです。

いずれにしても、現状ではオイルプリングによるお口の健康への効果は限定的といえます。味や香りを見て、自分の好みに合うオイルを選ぶといいでしょう。

オリーブオイルうがいでは口臭は治らないので注意

オリーブオイルうがいは一時的な口臭予防には活用してもいいかもしれませんが、根本的な解決にはつながりません。口臭の原因の多くを占める歯周病菌を殺菌するほどの効果はないからです。

オリーブオイルうがいで口臭が改善されないからといって、量や回数を増やしても思うような成果は期待できない可能性が高いので注意してください。

誰でもすぐできる!口臭を予防する3つの方法

    • 寝る前にきちんと歯磨きをする
    • 塩化亜鉛が配合されたマウスウォッシュを使う
    • 唾液の分泌を促す

寝る前にきちんと歯磨きをする

細菌の繁殖を抑えるためには、寝る前にきちんと歯磨きをして歯垢(プラーク)を除去することが非常に重要。寝ているときには唾液の分泌が減ることで細菌が繁殖する絶好の機会となるからです。

朝起きたときに口の中がネバネバするという人は要注意。歯周病菌が悪さをしている恐れがあります。

ポイント
特に口臭が気になる人は、「IPMP(イソプロピルメチルフェノール」)など歯周病菌を殺菌する成分が配合された歯磨き粉を使うのがおすすめ。

塩化亜鉛が配合されたマウスウォッシュを使う

マウスウォッシュ

塩化亜鉛は口臭を防ぐ効果がハッキリと証明されている成分のひとつです。市販の洗口液だと「リステリン」などに含まれています(種類によっては配合されていないので注意)。

ただしあくまで口臭の原因となるガスを一時的に中和するものなので、根本的な解決にはなりません。洗口液の使い過ぎは、お口の健康に悪影響を及ぼすこともあるので注意してください。

唾液の分泌を促す

唾液の分泌が減ると口臭は強くなる傾向があります。日常的に口の中が乾いていると感じる人は以下のような方法で唾液の分泌を促してみましょう。

    • よく噛んで食べる
    • 口呼吸を改善する
    • 耳の下の唾液腺を指でマッサージする
    • ストレスを感じすぎないようにする

口臭が気になる人は歯科医院に相談を

口臭

口臭の原因のほとんどは歯周病菌が生み出すガスです。歯周病の改善には歯磨きなどのセルフケアが重要ですが、ある程度進行すると自分では対処できなくなります。口臭が気になる人は、歯周病専門医や口臭の治療を得意とする歯科医院に相談してみるといいでしょう。

歯周病は日本人の8割がかかっているといわれる身近な生活習慣病です。お口の中はもちろん、全身の健康にも大きな影響を及ぼすため、早めの対処を心がけましょう。