口臭の原因は唾液にあり!口臭予防と唾液の関係について解説します

口臭の原因は唾液にあり!口臭予防と唾液の関係について解説します

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

朝起きたとき、体調が良くないときなど、口臭は誰もが経験するものです。しかし、人に不快感を与えてしまう口臭は、なくしてしまいたいものですよね。誰にでもある口臭には、唾液が深く関係しています。今回は、口臭と唾液との関係や、すぐにできる口臭を予防する方法をお伝えします。

口臭と唾液の関係

口臭は、唾液とは切っても切り離せない関係があります。まずは口臭と唾液の関係を説明します。

唾液のすごいパワー

指しゃぶり

人には生まれながらにして、自分で傷を治す自然治癒力や、体の中のウィルスなどを撃退する免疫力などが備わっていますが、唾液にもそういった力があります。唾液には、実は2つの種類があり、それぞれ役割も出る場所も異なるのです。

唾液が出る場所は大きく3つあり、耳の近くにある「耳下腺」、顎の下方にある「顎下腺」、舌の裏あたりにある「舌下腺」です。これを三大唾液腺といい、ほとんどの唾液がこの3ヶ所から出ています。

そのうち、「耳下腺」からはサラサラした唾液が、「顎下腺」と「舌下腺」からはサラサラした唾液とネバネバした唾液が分泌されます。

サラサラした唾液リラックスしている時に出て、水分によって細菌を流すほか、食べ物の消化を助けたり口の中を殺菌したり中性に保つ役割があります。一方のネバネバした唾液は、ストレス時や興奮時などに出て、口の粘膜を保護したり、外からの細菌やウイルスの侵入を阻止したりしています。

大唾液腺の他にも、小唾液腺が無数にあり、口の中を絶えず循環しています。唾液は1日に1〜1.5リットル分泌されるといわれていますが、ペットボトルに置き換えてみると、その量のすごさに驚かされますね。

唾液の殺菌成分とは?

殺菌

唾液には殺菌作用や抗菌作用がありますが、具体的にはリゾチーム、ペルオキシターゼ、ラクトフェリン、ヒスタチンという酵素や抗菌物質が含まれています。また、免疫グロブリンと呼ばれる抗体が分泌されており、これらのさまざまな物質が、口内を虫歯や歯周病、その他の細菌から守っています。

また、唾液には酸性に傾いた口内のpHを中性に戻す働きがあります。口内のpHが酸性に傾くと、酸が歯を溶かして虫歯菌が増殖してしまいますが、唾液が口内のpHを中性に保つことで、歯の健康を保っているのです。

口臭の大半は虫歯や歯周病、舌にこびりついた細菌です。唾液は歯や体の健康を守るだけでなく、口臭も予防する働きがあります。

現代人特有の唾液が減る原因

唾液は健康や口臭を予防する大切なものですが、現代人の生活は、唾液が減少する傾向にあります。

柔らかいものばかり食べる食生活

オムライス

現代人の食事は、オムライスやカレーライス、ハンバーグなどの柔らかいものが中心です。肉なども、柔らかいほど「美味しい」と評価します。

唾液は咀嚼によって刺激されて分泌されますが、柔らかい食べ物ばかり食べていると、あまり噛まなくても飲み込めるため、十分に咀嚼がなされません。そのため、唾液量も減ってしまうのです。

いつもスマホをいじっている

スマホ

現代は、「スマホがなければどう生活していいか分からない」と公言する人もいるほどのスマホ社会です。しかし、スマホをいじっている間は人と話さず、口周りの筋肉も使いません。人との会話や歌を歌っている時は、実は唾液が循環されています。口を動かさなくなり口周りの筋肉が衰えると、唾液も出にくくなって悪循環です。

また、スマホをいじっている時は、交感神経が刺激されています。交感神経が優位になるとリラックス時とは真逆で、自浄作用が働くサラサラした唾液は少なくなります。おしゃべりやカラオケなどはストレス発散にもなり、ストレスからの口臭も予防できますよ。

もしかして「口臭恐怖症」かもしれません

口臭

口臭は自分ではなかなか気づかないものですが、口臭を気にしすぎるあまりに「口臭恐怖症」になっている場合があります。人が鼻に手をやったり、偶然人が内緒話しているだけで、「もしかして自分は口臭がしているかも」と思ってしまうのです。しかし、大抵の場合は普通の人と同じくらいの口臭しかないことが多いです。

口臭恐怖症になりやすい人は、そもそも対人恐怖やあがり症などの「社会恐怖症」の可能性があるとされています。気になるようなら、一度心療歯科や心療内科を受診してみてはいかがでしょうか。

唾液を増やして口臭を予防する方法

唾液は口臭に大きく関係しますが、唾液を増やすと口臭を予防できる可能性が高まります。

よく噛んで食べる

食事

食べ物を口に入れてあまり噛まずに飲み込むくせがある人は、よく噛んで食べるよう意識すると、顎をたくさん使って唾液腺を刺激することができます。

また、歯ごたえのあるものを食べるのもおすすめです。歯ごたえのある食べ物は、食べ物の食物繊維が歯の表面についた汚れを絡め取る効果があります。歯ごたえのある食べ物は、リンゴ、レタス、セロリ、ごぼうなどです。食物繊維は腸内環境も整えるため、腸内に発生したガスが体内を巡って呼気になる口臭も防ぐことができます。また、リンゴには口臭を抑えるポリフェノールも多く含まれます。

梅干しなど酸っぱいものを食べる

梅干し

酸っぱいものを口に入れると、自然と唾液が湧いてきます。酸っぱい食べ物の代表格は梅干しやレモンなどですが、酢の物などもおすすめです。酸っぱい食べ物に含まれるクエン酸は唾液を増やし、乳酸を体外に排出して体の疲れを取ってくれますが、長時間口の中に留めておくと酸蝕歯になる可能性があります。レモン味のお菓子やカリカリ梅などを食べたあとは、口をゆすぐなどして残さないようにしましょう。

MEMO
酸蝕歯とは、その名の通り酸が歯を溶かして蝕んでしまうことです。酸蝕歯は知覚過敏や虫歯・歯周病につながります。

食後にガムを食べる

粒ガム

食後にガムを噛むと、唾液を増やすだけでなくガムそのものの持つ爽やかな香りなどで、口臭を予防することができます。

ただし、口が乾いていない唾液量が正常な人がガムを噛むと、かえって逆効果になるという研究結果もあります。ガムは年中噛むのではなく、食後や口の中が乾いたときのみに噛むのがおすすめです。

水分補給をする

ペットボトル

水分を摂ると口の中が潤って、唾液の分泌を促してくれます。ただ、たくさん摂ると摂り過ぎになってしまうので、一度にひと口程度、ちょこちょことこまめに摂るようにしましょう。

また、糖分や油分は細菌のエサになってしまうため、甘い飲み物や微糖の缶コーヒーなどではなく、水や緑茶がおすすめです。

【歯医者さんが教える】口臭の原因と口臭予防ができる食べ物や飲み物

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唾液量を増やして口臭を改善しよう

唾液には消化を助けたり口の中を殺菌したりする働きがあります。以下のような方法で唾液を増やすと、口臭を予防することができます。

    • よく噛んで食べる
    • 酸っぱいものを食べる
    • ガムを噛む
    • 水分補給をする

唾液を増やしても口臭が改善されない場合は、別のところに原因があるかもしれません。その場合は、一度歯医者さんに相談することをおすすめします。