口臭の原因のほとんどは歯周病だった!?口臭との関係と5つの予防法

口臭の原因のほとんどは歯周病だった!?口臭との関係と5つの予防法

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

歯みがきをしても消えないしつこい口臭の原因は、もしかしたら歯周病かもしれません。実は、「日本人の30代以上の3人に2人は歯周病」というデータがあります(厚生労働省)。さらに、50代以上は2人に1人が歯周病ということが分かっており、歯周病による口臭は、決して他人事ではありません。

今回は、口臭と歯周病の深い関係と、口臭を防ぐ方法を紹介します。口臭が気になる人は、ぜひチェックしてください。

歯周病とは

歯周病とは、歯と歯茎の間の歯周ポケットに細菌が入り込んで悪さをする病気です。

飲食したあとの食品に含まれる糖分や油分が歯の表面に残っていると、細菌によってプラーク(歯垢)に変化します。プラークは歯周ポケットに炎症を起こし、歯を支える組織を侵食しながら奥へ奥へと進んでいって、最悪の場合歯が抜けてしまうのです。

口臭は、歯垢の段階からすでに発生し始め、歯周病が悪化するにつれてひどくなっていきます。

軽度は歯肉炎

軽度の歯周病は、歯茎に炎症が起こりはじめる「歯肉炎」と呼ばれるものです。歯肉炎は、歯茎がムズムズしたり、浮いたような違和感>を覚えたりします。また、歯磨きをすると出血することがあります。

出血は毎回起こるわけではなく、その日の体調などによって出血したりしなかったりしますが、一度でも出血したことがあれば、歯周病にかかっている可能性が高いです。

また、健康な歯と歯茎は、1〜2mm程度のわずかな隙間しかありませんが、プラークが溜まった状態が続くと細菌が侵食して3〜5mmの隙間に広がり、その隙間からさらに細菌が増殖します。

中度の歯周炎

歯周病がさらに進むと、歯茎の腫れがひどくなります。歯周病菌は歯の根を保護している“歯根膜”や歯の根の土台となっている“歯槽骨“まで破壊し始めます。歯茎の炎症にとどまっている時は「歯肉炎」ですが、歯の周りの組織にまで症状が及ぶと、歯槽膿漏と呼ばれる「歯周炎」となります。

また、症状が進んで歯と歯茎の隙間が4〜7mmに広がると、歯がグラつき始めます。

重度の歯周炎

歯周炎がさらに進む頃には、歯槽骨は半分程度まで破壊され、歯は支えを失ってかなりグラグラの状態です。痛みもひどいですが、口臭もかなりきつくなります。

MEMO
知覚過敏も歯周病が原因のひとつです。歯周病が進んで炎症によって歯茎が下がると、象牙質がむき出しになります。象牙質には無数の穴が空いていて、神経に通じています。そこに冷たいものなどの刺激が加わると、知覚過敏になるのです。

歯周病で起こる口臭には害がある

注意!

歯周病が引き起こす口臭は非常に強い臭いを発しますが、その原因は「メチルメルカプタン」という成分です。メチルメルカプタンは、メタンチオールとも呼ばれ、腐ったタマネギのような臭いです。

メチルメルカプタンは農薬やプラスチックの製造などにも使われるもので、呼吸中枢に影響を及ぼす毒性の強いガスです。高濃度になると死亡事故をもたらすこともあり、通常の口臭濃度である0.3ppm程度でも、気分が悪くなるといわれています。

口臭はただ臭いが不快なだけでなく、歯茎にダメージを与える直接の原因のひとつです。血流に乗って体内に入ると、老化やガンの元となる活性酸素を増やし、細胞核を破壊することも分かっています。歯周病の口臭の元メチルメルカプタンは、全身にも悪影響を及ぼすので、できるだけ防ぎたいものです。

歯周病の口臭を予防できる5つの方法

歯周病の口臭を予防するには、日頃からのケアがとても大切です。

1.正しい歯みがきをする

歯みがきは、正しい方法で実践しないと歯垢が残ったままになってしまいます。歯ブラシは歯茎を傷つけないように柔らかめのものを使い、歯の根本にピッタリと当ててブラッシングすることが重要です。磨く際には、大きくゴシゴシとこするのではなく、小刻みに軽くブラシを動かします。

歯ブラシが届かない場所は、歯間ブラシやデンタルリンスを併用しましょう。ただし、歯間ブラシは歯茎を傷つけないように、ゆっくりと回転させながら入れ、歯の側面に沿うようにして10回程度動かすのがコツです。

正しい歯磨きのポイント
    • 柔らかめのブラシを使う
    • 歯の根本にピッタリと当てる
    • ブラシは小刻みに軽く動かす
    • 歯間ブラシは歯の側面に沿わせて10回ほど動かす

2.歯周病用の歯みがき粉を使う

歯みがき粉は、歯周病用の成分が入った製品がおすすめです。歯周病用の歯みがき粉は、歯周病を殺菌する効果や、歯茎を引き締め、腫れを緩和する成分が入っています。

下記は、歯科医師がおすすめする歯みがき粉を特集しています。ぜひ参考にしてみてください。

歯医者さんがすすめる!口臭予防に効果的なおすすめ歯磨き粉5選

3.歯周病用のデンタルリンスを使う

マウスウォッシュ

歯みがきに自信がない人は、デンタルリンスを使用するのもおすすめです。デンタルリンスにも、口臭を香りで一時的にマスキングするものから殺菌・抗菌作用に優れているものまでありますが、歯周病の口臭が気になる人は、歯周病をケアできる製品を使うと良いでしょう。

歯医者さんが教える口臭予防のうがい薬の選び方とおすすめ6選

4.マウススプレーやタブレットで口臭を予防する

人と会う前や会議など、一時的に口臭を抑えたいという場合には、マウススプレーやタブレットもおすすめです。マウススプレーやタブレットも、歯周病予防ができる製品があり、通常の製品よりも歯周病の口臭に効果が期待できます。

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5.できるだけ早く歯科医に行く

歯周病は、自力で治せるものではありません。いくらデンタルケア製品を使っても、症状の進行を遅らせる程度です。そして、歯周病が治らない限り、口臭もついて回ります。

歯周病は、「サイレントキラー」とも言われており、気づいた時にはかなり進行しているケースがほとんどです。重症化すれば歯を失うことになり、失った歯は二度と戻ることはありません。

また、歯周病は中高年のイメージがありますが、妊婦さんや思春期のホルモンバランスの変化が著しい場合にも多く発生します。歯磨きしてもなくならない口臭がある人は、年齢に関わらず早めに歯科医院に行くことをおすすめします。

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歯周病を治して口臭を予防しよう

口臭の原因の多くは歯周病です。通常の製品よりも、歯周病用の歯みがき粉やデンタルリンスを選択するのはおすすめですが、あくまでも補助的なもので、病気が改善するわけではありません

口臭をなくすには元を断たなければならず、歯周病を治療するのが一番です。歯磨きした時に出血したことがある・歯茎が浮くような感じがしたことがある・歯茎が腫れている・歯茎が下がったような気がするなどで、どれかひとつでも当てはまる人は、早急に歯科医院に相談しましょう。