口の中が乾燥すると口臭がきつくなる!口内乾燥の原因と口臭の予防法

口の中が乾燥すると口臭がきつくなる!口内乾燥の原因と口臭の予防法

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

「暖房や冷房が効いた部屋だと、なぜか口臭が気になる」と感じる人は多いようです。しかし、それにはきちんとした理由があります。口臭と乾燥は切っても切れない関係にあるからです。

今回は、口臭と乾燥との関係や、口臭を予防する方法をご紹介します。

なぜ口の中が乾燥すると口臭がきつくなるの?

口の中が乾燥するということは、唾液の量が少なくなっている、または唾液の粘性がいつもより強くなっている状態です。

唾液には2つの種類があります。1つはサラサラ唾液、もう1つはネバネバ唾液です。2つの唾液の特徴はそれぞれ以下のとおりです。

サラサラ唾液ネバネバ唾液
リラックス時に出る興奮・緊張時に出る
副交感神経が優位交感神経が優位
口内で発生する細菌に対して殺菌・抗菌作用がある体外から入ってくる菌やウイルスを絡め取る
主に耳下腺や口内表面の無数の孔から出る主に顎下腺や舌下腺から出る

つまり、通常時にはサラサラ唾液が出て自浄作用が働いていますが、乾燥した環境ではサラサラ唾液が少なくなって、細菌が増殖してしまいます。すると、舌の表面にこびりついた細菌の塊や、口内の細菌が歯垢と結びついて、口臭の原因となるのです。人は1日に1.5リットルもの唾液を分泌していますが、その大半がサラサラ唾液と考えられます。

MEMO
唾液腺の種類
  • 大唾液腺:耳下腺、顎下腺、舌下腺
  • 小唾液腺:口内すべてに無数に小さな孔のように存在する

口内が乾燥する原因

そもそも口臭の原因となる口内乾燥は、主に以下のようなときに起こります。

緊張やストレス

マイクを持つ男性

緊張やストレスを感じた時は、自律神経のうちの交感神経が活発になります。プレゼン前やスピーチをしている最中に、喉が乾いた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

交感神経が活発になると、体内では血管をギュッと収縮して血圧を高め、鼓動が激しくなったり口の中が乾いたりします。

噛む回数が少ない

カレー

食べている時はリラックスしていて、サラサラ唾液が多く分泌されます。サラサラ唾液が出るしくみは、咀嚼によって唾液腺が刺激されることです。

食べてもすぐに虫歯にならないのは、唾液が食べカスなどが流したり、歯の表面をコーティングして歯垢を作りにくくしてくれるからです。しかし、現代人の食事は柔らかい食べ物が多く、あまり噛まなくても食べられるものが多いです。噛む回数が少ないと唾液腺も刺激されないので、唾液があまり出ずに自浄作用も働きにくくなります。

糖尿病

病気

口臭の原因の大きなウェイトを占めるのが歯周病ですが、日本人の40歳以上の実に半数もの人が、歯周病にかかっているといわれています。歯周病と糖尿病は深い関係があります。

歯周病は、歯と歯茎の間の歯周ポケットに細菌が入り込んで歯垢(プラーク)を増やし、歯の組織や骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。歯周病が進むと歯を支える骨がなくなり、歯を失ってしまいます。

歯垢は放置しておくと血流に乗って全身に流れこみ、歯垢の中にある炎症物質が、血糖値を下げる役割を持つインスリンの働きを弱めてしまうのです。すると、血糖値をコントロールできなくなり、糖尿病へと発展します。

反対に、歯周病を治療すると血糖値が下がることが分かっていることから、歯周病と糖尿病は相互関係にあるといえます。

ドライマウス

舌

ドライマウスとは口内が乾く病気で、口の不快感があったり、ひどくなるとろれつが回りづらくなったりします。

ドライマウスの原因は主に3つあります。1つ目は、口周りや舌の筋肉の老化です。スマホやパソコンが普及して人とあまり話さなくなったことや、柔らかいものばかりの食生活によって、現代人は口の筋肉が弱まっており、結果として唾液量も減少傾向にあります。

2つ目は、ストレスや疲労によって唾液の分泌量が減っていることです。ストレスや疲労時には交感神経が優位になっているため、サラサラ唾液が減少します。

3つ目は、薬による副作用です。病院で処方された薬や市販の薬などを常備薬として、頻繁に飲んでいる人も多いでしょう。しかし、薬の中には口内が乾くという副作用を持っているものがあります。

口内を潤して口臭を防ぐ方法

口臭を防ぐには、唾液量を増やすことが第一歩です。生理現象である唾液を増やすには、意図的に以下のようなことをするのがおすすめです。

よく噛む

生野菜

唾液の分泌を増やすには、アゴをよく動かすことです。それには口に入れた食べ物を噛む回数を増やしたり、歯ごたえのある食べ物を食べたりすることが有効です。

歯ごたえのある食べ物でおすすめなのは、生野菜です。レタスやセロリ、ニンジン、パプリカなどを生のまま食べるにはよく咀嚼する必要があり、野菜に含まれる食物繊維が歯や舌の表面についている汚れを落としてくれる働きもあります。また、食物繊維と歯ごたえの両方を持つ食品として、リンゴ、ゴボウ、レンコン、ブロッコリーなどもおすすめです。リンゴには口臭予防に効果のある成分「リンゴポリフェノール」が含まれています。ゴボウやレンコン、ブロッコリーなどは加熱しても食物繊維が壊れることはありません。

リラックスする

リラックス

サラサラ唾液はリラックス時に多く分泌されます。日頃から仕事などで緊張する場面が多い人は、寝る前の数分間アロマやゆったりとした音楽を聴いたり、入浴時に湯船に浸かるなどして、1日に1度はリラックスする時間を意識的に作るのがおすすめです。軽いストレッチや散歩なども良いでしょう。

リラックスする時間を作ることは、精神面においても重要です。ストレスが溜まりすぎるとうつなどの可能性があるからです。心身のリラックスは口臭予防に役立つだけでなく、精神面にも効果があるため、忙しい人ほどぜひ取り入れたいものです。

口周辺の筋肉を鍛える

口周りのトレーニング

筋肉は使わなければ徐々に衰えてしまいます。口周りの筋肉も同じです。口周りの筋肉を鍛えるには、以下の方法があります。

●ガムを噛む
一番気軽にできる方法が、ガムを噛むことです。ガムを噛むとアゴを動かし続けるため、自然に唾液の量が増えます。ただし、砂糖などの糖分が入っているものは虫歯の原因になるため、キシリトール入りなどがおすすめです。

●マッサージ
マッサージといっても、ゴリゴリやる必要はありません。以下のようなマッサージを毎日行うことで、口周辺の筋肉を鍛えることができます。

    • 手のひらを口の両脇に軽く起き、内回りに数回回す
    • 「い、う、え、あ」と一言ずつ口を力いっぱい開けて発声する
    • 口を閉じて舌を歯茎に添ってゆっくり一周させる

●しゃべる、笑う
意外かもしれませんが、しゃべったり笑ったりすることは、口周辺の筋肉を衰えさせない簡単な方法です。スマホばかり見て人との会話が少なくなっている人は、人と会話する機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

口の中を潤して口臭を改善しよう

唾液量を増やすことは、口臭予防に大きな効果をもたらします。唾液量を増やすおすすめの方法は、よく噛むこと、リラックスすること、口周辺の筋肉を鍛えることの3つです。

上記の方法を試しても効果がない人は、歯周病や他の病気で口臭が発生している可能性があります。歯科医院や病院などで、一度相談してみてください。

口臭の原因は唾液にあり!口臭予防と唾液の関係について解説します

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