インプラントにしたら口臭がひどい?インプラントのトラブルやリスク

インプラントにしたら口臭がひどい?インプラントのトラブルやリスク

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櫻井祐弥先生
櫻井 祐弥 先生
所属:エムズ歯科クリニック下落合
専門:デジタル
東京都出身。東京医科歯科大学を卒業し、インプラント専門医の下で臨床研修を行った後に医療法人社団翔舞会エムズ歯科クリニックに入社。現在、エムズ歯科クリニック下落合院長として診療をする傍ら、子育てと趣味の読書と最近習い始めたゴルフに奮闘している。

せっかくインプラントにして、元の歯のように何でも食べられるようになったのに、実は口臭が気になっているという人も少なくありません。ここでは、インプラントで口臭が起こる理由とその対策法、インプラント全体で起こりやすいトラブルについて取り上げ、詳しく説明します。

インプラントで口臭が起こる2つの原因

インプラントで口臭が起こることで考えられる原因は、2つあります。1つは磨き残しがあるということ、もう1つはインプラント周囲炎になっているということです。

磨き残しがある

磨き残しは歯垢(プラーク)を作る材料となります。磨き残しで歯の隙間などに付着したままの食べカスは、口内の細菌の大好物。粘着性のあるを出して食べカスを腐らせ、歯垢を生み出します。

この時に細菌が出す酸や歯垢からは、悪臭が発生します。これが口臭の原因となっているのです。

インプラント周囲炎になっている

インプラント周囲炎とは、インプラント特有の病気です。炎症からだんだんとひどくなっていく様子は歯周病とよく似ています。インプラント周囲炎の症状が進むスピードは、一般的な歯周病よりも速く、あっという間に深くまで侵入します。それゆえ一度かかるとなかなか治りにくく、症状が進むにつれて痛みや腫れを伴ったができて悪臭を放ちます。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎の発端は、磨き残しが関係します。磨き残しによって産出された歯垢は、虫歯や歯周病の元です。口内に虫歯や歯周病があると、その菌がインプラント周辺の粘膜に感染し、インプラントを支える組織に炎症を起こしてしまうのです。また、インプラントと歯ぐきの境目には汚れが溜まりやすく、ここにも歯垢が発生しやすくなっています。

歯周病菌が歯ぐき下がりの原因であるように、インプラント周囲炎も骨を吸収してどんどん退縮させるという特性があります。骨が退縮すれば、インプラントを支える土台がなくなります。インプラント周囲炎を放置しておくと、やがてはインプラントがある日突然、脱落してしまう可能性もあるのです。

インプラント周囲炎のリスク

インプラント周囲炎のリスクを、まとめてみましょう。

    • 歯ぐきが下がる
    • インプラントと歯ぐきの間の溝が深くなる
    • 出血や腫れが発生する
    • インプラントが抜け落ちる

歯ぐき下がりや溝が深くなる、出血や腫れなどの項目は、まさに歯周病と共通しています。インプラント周囲炎にはこのような様々なリスクがあるため、インプラント治療後もしっかりとをケアする必要があります。

インプラントの口臭を防ぐには

歯垢がたまりインプラント周囲炎が進行すれば、口臭はますますひどくなります。そうならないためには、以下の対策をしっかりと行うことが重要です。

    • きちんとした歯磨き習慣を身につける
    • 歯ブラシ以外のアイテムを併用する
    • 定期メンテナンスにしっかりと通う

歯磨き習慣は毎食後に行う人が多いと思いますが、プラスして就寝前にするのをおすすめします。就寝中は口内細菌がもっとも増殖する時間なので、細菌の活動を少しでも抑制するために、きちんと歯磨き粉のフッ素を口内に残してから寝るのが効果的です。また、歯磨きで歯の汚れを落とせる効果は、60%程度と言われています。歯垢は歯と歯の間や歯とインプラントの間にできやすいので、歯間ブラシフロスなどを併用して行うのがベストです。

定期メンテナンスは、季節ごとに通うのが一般的です。定期メンテナンスでは、インプラントだけでなく、口内全体の粘膜や歯の状態もチェックします。口の中にインプラント周囲炎の原因となる歯垢や歯石がないか調べ、あれば除去することができるからです。その他にも、専用機器でのクリーニングや磨き残ししやすい場所の適切なブラッシング法などを教えてくれます。

インプラントにもし不具合があれば、保険期間内であれば無償で修理もしてくれます。定期メンテナンスに通うことは、インプラントを長持ちさせるため非常に重要なものです。

その他のインプラントで起こりうるトラブル

口臭やインプラント周囲炎以外の、インプラントで起こりうるトラブルもご紹介します。

歯周病になりやすい

インプラントを埋入すると、天然歯だけのときよりも増して歯周病になりやすくなります。インプラントは天然歯と違い自然治癒力がありません。そのため歯周病菌などに抵抗する力がなく、インプラント周辺の組織がどうしても歯周病にかかりやすくなってしまうのです。

インプラント上部が欠損する

インプラントは人工物とはいえ絶対に壊れないわけではありません。インプラント体は骨に埋入しているため欠損する恐れはありませんが、上部の人工歯は天然歯と同じです。天然歯がそうであるように、硬すぎるものを噛んだり、強すぎる力が加われば割れたり欠けたりします。インプラントを入れると自分の歯のようにほとんどのものを美味しく食べられるようになりますが、天然の歯と同様、硬いものを食べて欠けたりしてしまった場合は、歯医者さんになるべく早く診てもらいましょう。

また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、継続して力が加わり続けて人工歯が欠損する恐れがあります。日中は意識することができますが、寝ている間無意識にやってしまいがちです。歯科にはナイトガードなど夜間の歯ぎしりを治す治療法があります。医師に相談し、早めに治療することをおすすめします。

インプラントの歯ぐきが黒ずむ

インプラントを入れている表面の歯ぐきが黒ずむことがあります。これは、いわゆる銀歯のように金属が溶けているわけではなく、歯ぐき下がりなどで歯ぐきが薄くなったことで生じているものです。

もし歯ぐきが下がっているようなら、インプラント周囲炎にかかっている可能性があります。歯科に連絡し、早めに受診しましょう。

しっかりとケアしてインプラントの口臭を予防しよう

インプラントの口臭は、磨き残しで歯垢が発生してしまうことと、インプラント周囲炎にかかっていることが主な原因です。ご紹介したようなケアをしっかりと行うことで、口臭は予防できます

また、インプラント周囲炎で考えられるトラブルは以下のものです。これらのトラブルを防ぐため、豊富な経験と知識のある、信頼できる医師を選びましょう。

    • 歯ぐきが下がる
    • インプラントと歯ぐきの間の溝が深くなる
    • 出血や腫れが発生する
    • インプラントが抜け落ちる