インプラント 手術の後で痛みが出る?インプラント治療についてQ&A

インプラント 手術の後で痛みが出る?インプラント治療についてQ&A

この記事の監修医師一覧

櫻井祐弥先生
櫻井 祐弥 先生
所属:エムズ歯科クリニック下落合
専門:デジタル
東京都出身。東京医科歯科大学を卒業し、インプラント専門医の下で臨床研修を行った後に医療法人社団翔舞会エムズ歯科クリニックに入社。現在、エムズ歯科クリニック下落合院長として診療をする傍ら、子育てと趣味の読書と最近習い始めたゴルフに奮闘している。
インプラント治療は、「人生が変わった!」「生活が快適になった!」と、口コミでも非常に満足度の高い治療です。
これからインプラント治療を受けたいと考えているとき、あまり知られていないインプラントのデメリットやリスクについても事前にチェックしておきたいものです。
ここでは、インプラントの治療の疑問や手術後に起こり得るリスクについて、Q&A形式でお伝えしていきます。

インプラント手術について事前に知りたい!Q&A

インプラント治療は、95%~99%という極めて高い成功率です。というのも、一般的な歯科治療と異なり、歯科大学を卒業した後も専門知識や技術の研さんを続けた歯科医師による質の高い治療が受けられるからです。
中には質の良くないインプラントシステムを安価に提供しているところもありますので、しっかりとした見極めが大切です。
歯の修復に関する専門的な資格や・設備を揃えた歯科医院を選べば、口腔インプラント学会と厚生労働省が共同で出している口腔インプラント治療指針に則った満足できる治療が受けられます。

それでは、インプラント手術について気になることをQ&A形式で、一つひとつ見ていきましょう。

①痛みやしびれがでる?

インプラント治療は外科手術ですが、手術中は局所麻酔を施しますので痛みを感じることはほとんどありません。一般的な虫歯治療よりも負担が少ないという印象をもつ人が多いです。
ただ、一般的な手術と同じように、麻酔がきれると傷口に腫れや痛み・痺れがでることがあります。体質による個人差がありますので、ほとんど痛みがでない人もいます。
痛みや痺れの程度ですが、抜歯の治療を受けた後と同程度とイメージすると、わかりやすいのではないかと思います。
インプラントを埋入した本数や、骨量を増やすために骨造成の処置を行った場合は、さらに腫れや痛みがでやすいといえます。
痛みや腫れが引くまで2~3日くらいかかり、1週間もすれば痛みが気にならなくなるでしょう。抗生物質や鎮痛剤が処方されますので、歯科医師の指示に従って服用してください。

初めてインプラント手術を受けると、手術後になかなか痛みが引かないと「これが通常なのか失敗しているのか解らない」と不安になるかもしれません。
異常疼痛や麻痺・痺れが続く場合は、万が一の異常事態も考えられます。痛みや痺れを我慢しすぎることのないようにしてください。気になる時は、すぐに歯科医院に相談しましょう。

②頬が腫れたりしない?

骨が少なくてインプラント治療が難しい場合は、骨量を増やす骨造成の処置を行ったうえで、インプラントを埋め込むことがあります。
この施術は、インプラントを埋め込む以上に専門性の高い治療です。歯科医師なら誰でもできるものではないのですが、資格がなくてもできるのが日本の歯科業界の現状です。
患者さんの方でリスクヘッジするのは難しいかもしれないですが、できるかぎりドクターが専門資格や豊富な手術の経験を持っていて、専門的な設備が整った歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
専門的な設備では、CTという患部を立体的に撮影できるレントゲンを備えていることが最低条件と考えると良いでしょう。
CTとは?
お口や顎の周辺は、神経や血管が複雑に入り組んでいます。CTは、そんな患部の状況を立体的に撮影できる3Dレントゲンです。
こうした設備は高額ですので、街の小さな歯医者さんでは導入が難しいと言えるのですが、そういった場合は近隣の大学病院や医療センターと提携してCT撮影を別のところで行うケースをとっています。
CT撮影をせずにインプラントの手術を行うのは非常にハイリスクですので、この手順を省略するようでは優れた品質の治療には期待できません
術後の痛みや腫れに対する配慮も薄いことが予想できますし、無事インプラントを埋入できたとしても長持ちしない恐れがありますので、避けたほうが無難でしょう。

③手術をした人のその後は?

インプラントを入れたら、できるだけ長持ちさせたいものですね。人工歯はとても自然な美しさがあるので、虫歯にならないし別にいいかな、とお手入れが手抜きになってしまう人もいるようです。そうなってしまった人のインプラントは、残念ながら長持ちしていません
インプラントは歯周病のような病気にかかりやすいのが特徴です。人工歯なので自浄作用がなくて細菌感染に弱いのです。入れ歯やブリッジより長持ちするという研究発表があるインプラントですが、お手入れ次第によって10年~40年と、インプラントの寿命が大きく左右されるのも特徴です。
20年以上たったインプラントについても、多くの人が基本的に問題なく使えていることが解っています(下記コラム参照)。
20年以上たったインプラント患者のアンケート調査
(日本口腔インプラント学会2018)
84%の人が「なんでもよく噛める」と答えています。
年代別では、60歳代85%、70歳代76%、80歳代75%が、「特に問題ない」「なんでもよく噛める」という回答でした。

④気をつけるべき点は?

インプラント手術を受けたすぐ後、翌日などそれぞれのタイミングで、気を付けることを挙げています。歯科医師からも伝えられる注意事項ですので守るようにしましょう。
インプラント手術の直後は?
    • あまりをゆすがない。
    • 入浴や運動は避ける。
    • 飲酒・喫煙しない。
    • 入れ歯は使用しない。
    • 唾液に血が混じる程度の出血することも。止まらない場合は、ガーゼを30~60分噛む。
    • を高くして寝る。
    • を強くかまない。
    • を指示通り服用する
翌日からは、気をつけることは?
    • 傷口には2週間くらいは歯ブラシを当てない。
    • 当分は禁煙・禁酒
    • 傷口が治るまで入れ歯の使用禁止。歯科医師と相談して使用を再開する。
    • 食事は、やわらかいものを。患部では噛まないように注意。
    • 出血や痛みは我慢しすぎないように、担当の歯科医師に相談を。

⑤食べてはいけないものはある?

インプラント手術をした後、しばらくの間は、できるだけやわらかいものを選んで食べましょう。
下記のような歯に負担がかかるものは、なるべく避けてください。
おかゆ・うどん・スープなど、やわらかいものから食べ始めて、徐々に普通食に戻していきましょう。
    • 硬いもの・弾力のあるもの・粘着性のあるもの(焼肉、ホルモン、タコ、イカ、餅、スルメ、せんべいなど)
    • 刺激があるもの
    • 極端に熱いもの
    • アルコール、炭酸飲料

⑥禁煙しなければいけない?

喫煙すると、手術後の傷口の治癒が遅れます。ゆっくりでも治ればよいと思うかもしれませんが、治癒のクオリティが下がるのです。埋め込んだインプラント本体と骨の融合がしにくくなり、密着度が下がります。
つまり、インプラントを入れたものの固定されにくく、脱落しやすい状態になりかねません。喫煙は、インプラントの寿命を大きな影響を及ぼします。埋入手術が成功しても、経過が悪く失敗につながるのも喫煙者のインプラント手術の特徴として多くのエビデンスが示されています。

⑦アルコールを飲んではいけない?

アルコールを摂取すると血行が促進されるので、血が止まりにくくなります。歯ぐきにできた傷口の回復にもインプラントと骨の結合にも影響しますので、歯科医師の指示があるまで飲酒は控えるようが良いでしょう。

⑧周囲炎を予防するには?

インプラントは人工歯のため細菌感染に弱いというリスクがあります。インプラント周囲炎を予防するためには、しっかりと毎日の歯磨きを徹底して行う必要があります。
そして、セルフケアでは全体の2割~4割の汚れが落としきれませんので、歯科医院で定期的にクリーニングを受けましょう。
適切なケアを行えば、インプラントを長持ちさせられます。入れてから亡くなるまで40年間、半永久的に長持ちさせた人もいるほどです。

⑨高齢でも受けられる?

インプラント治療に年齢制限はありません。
手術に耐えられる体力と、手術後にセルフケアできる自立心があれば、インプラント治療を受けることができます。ただし、骨の量が十分でない場合や、既往症の影響で難しくなるケースもあります。
それぞれのかかりつけの医師と相談しながら進めることも可能ですので、まずは歯科医院で相談してみましょう。

インプラントで後遺症に悩んでいる人は?

インプラントの手術は骨に穴をあけて本体を埋め込みます。失敗として起こり得るのが、周辺の神経や血管を傷つけてしまったことによる神経麻痺などです。傷が血管に及ぶと、出血多量をひきおこす可能性もないとはいえません。
そこまで重症な例でなくても、削る範囲を少し間違えて腫れや炎症が強くなるというケースもあります。

トラブルに遭わないために

インプラントは高額なため、少しでも安く提供しているところに心惹かれがちです。
大量に仕入れて価格を下げるといった企業努力をして良心的な価格で提供している歯科医院もありますが、中には悪質な業者もありますので見極めが必要です。

例えば、安全性を追求し、事故防止に注力したインプラント治療には、コンピュータ制御されたカイドを使用して確実な位置へインプラントを埋め込んでいくシステムなども存在します。

まずは基本的なことですが、歯科医師の説明をしっかり聞いて、理解・納得してから治療を受けるようにしましょう。
専門的な知識や技術をもつ歯科医師による施術が受けられるか、衛生管理は万全か、CTなどの設備は整っているかなど、事前にしっかりとリスクヘッジした上で、治療をうけることが大切です。
writer
ナチュラル・ハーモニー
ナチュラル・ハーモニー
大手出版社出身、ディレクター・ライター歴15年以上。歯科ライティング実績は500件以上。都道府県主催テレワーク講座にも登壇。趣味は観劇と史跡巡り。柴犬好き。