矯正は大人でもできる?今からでも治療するメリット

矯正は大人でもできる?今からでも治療するメリット

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

歯並びが気になっていても、「今さら矯正なんて難しいのでは?」と思っている大人は多いのではないでしょうか?歯列矯正はいつから始めても遅くありません。最近では歯への意識が高まり、日本でも矯正治療を受ける大人が増えてきているのです。適切な矯正治療は、見た目だけでなく健康にもメリットが期待できます。歯並びや体の不調を感じるいまだからこそ検討すべきと言えるでしょう。

矯正治療はいつから始めても遅くない

「大人の矯正は時間がかかる」はウソ

「大人になると歯が動きづらくなる」というイメージを持たれがちですが、矯正の治療期間は大人でも子供でも大きく変わりません。確かに成長途中の子どものほうが順応性が高く、柔軟に治療を進められるというのは事実です。

一方で大人は永久歯が生えそろい、顎が完全に成長しているので、治療の予測や計画が立てやすいというメリットがあります。矯正は治療期間が長く、本人の積極的な協力が不可欠です。むしろ大人のほうがスムーズに治療を進めやすいと言えるのです。

矯正治療を受ける大人は増加している

ここ数年で矯正治療を受ける大人は増加していると言われています。日本でも歯への意識が高まりや目立ちにくい矯正方法が広まったことで、矯正治療への抵抗感が少なくなったことが要因でしょう。特に20代の治療はここ数年で多くなっています。一方で欧米に比べると不正咬合の疑いがあるのに適切な治療を受けていない患者の数は圧倒的に多いので、今後ますます増加していくことが予想されます。

大人が矯正するメリット

歯の綺麗な女性

気になる見た目が改善されて自信がつく

歯並びが気になる方の中には、大きく口を開けて笑うことに抵抗がある方もいるでしょう。日本臨床矯正歯科医会が行った調査では、約7割の人が「歯並びは第一印象を左右する」と回答したのに対して、歯並びに自信がないと答えた人は約半数にものぼりました。

歯並びが良いと清潔感があり健康的に見えると感じる人が多いのです。お見合いやデートやもちろん、面接や商談などでも好印象を持たれやすいなら、自信も出てくるでしょう。

噛み合わせが整うことで体の不調が改善されることも

歯並びが悪い場合は、噛み合わせにも問題があることが多くあります。前歯で食べ物を噛み切れなかったり、堅いものが十分に噛めなかったりする人は、矯正治療によって食事がより美味しく感じられるでしょう。しっかり噛むことは栄養の吸収を改善し、脳に良い影響を与えるので体全体の健康にとっても大きなメリットです。

ポイント
矯正治療で噛み合わせを正すことで顎の違和感も改善されます。口を開けたときにカクッと顎がズレる感覚があったり、「ジャリジャリ」と擦れるような音がなる場合は顎関節症の疑いがあります。主な原因は噛み合わせの問題による顎の筋肉のコリや緊張なのです。顎関節症の人は肩こりや頭痛にも悩まされるケースがあります。

虫歯や歯周病のリスクが減る

歯がねじれて見た目がデコボコになっていたり、八重歯が極端に大きかったりすると、隣の歯と重なった部分が歯磨きしづらいために細菌が溜まりやすくなります。矯正治療によって歯並びを正すことで、虫歯や歯周病のリスクを軽減できるのです。

大人に人気の目立たない矯正方法と費用

大人が矯正治療を受ける上で壁となるのが、装置の見た目の問題でしょう。現在主流となっているマルチブラケット法は、歯の表面にブラケットと呼ばれるボタンのような装置を接着し、そこにワイヤーを通すものです。口を開けると目立つギラギラとした銀色の装置を矯正のイメージとして連想する人も多いと思います。しかし、最近では目立ちにくいさまざまな矯正方法が開発されているのです。

表側でも目立ちにくいワイヤー装置

歯の表面に金属の装置をつけてワイヤーで引っ張る矯正方法を表側マルチブラケット矯正と呼びます。最も歴史が長く実績も多く、幅広い症例に対応できるので現在でも主流の方法です。以前は銀色で目立つ金属の素材しか選べませんでしたが、最近では歯の色にあわせた白い装置や透明なブラケットも普及してきています。

素材はプラスチックやセラミックになるので、金属アレルギーの症状が出にくいのも特徴です。費用は片顎につき5〜10万円プラスになります。目立つ上顎だけ変えるのもおすすめでしょう。

裏側矯正

歯の裏側にマルチブラケット装置をつける方法です。よほど大きく口を開けない限りは矯正をしていることに気づかれません。以前は表側矯正に比べて時間がかかる、対応できる症例が限られるなどのデメリットが指摘されていましたが、裏側矯正が得意な歯科医師であれば、治療にほとんど差はないと考えていいでしょう。

ただし、表側矯正に比べて費用がかかります。相場は100万〜120万円程度です。目立ちやすい上顎だけ裏側にして、下顎は表側にするハーフリンガル矯正にすれば費用を抑えることもできます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正

透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正方法です。近づいて良く見ないと装置をつけていることはほとんどわかりません。新しい矯正方法なので、まだまだ実績が少ないのが難点です。マウスピース矯正の知識・経験豊富な歯科医師であれば、かなり幅広い症例にも対応可能になってきています。

注意
最近、前歯の気になる部分だけキレイに形を整えた被せ物をする「セラミック矯正」という治療を受ける人が増えています。目立つ矯正器具をつける必要がなく、治療期間も短いので、歯並びが気になる大人に人気ですが、厳密には矯正治療ではなく審美治療です。治療の性質上、さまざまなトラブルも報告されていますので、信頼できる専門医とよく相談して検討してください。

知っておきたい大人の矯正のデメリット

大人になっても矯正治療は問題なく受けられますが、事前に把握しておくべきデメリットもあります。

虫歯や歯周病がある場合は先に治療が必要なことも

虫歯や歯周病などお口に何らかのトラブルがある場合には事前に解消してから矯正治療は始めます。とくに歯を動かす上で重要な歯槽骨(歯を支えている柔らかい骨)を溶かしてしまう歯周病はしっかり治療する必要があります。一方で、虫歯で被せ物をした歯や神経を抜いた歯があっても矯正は可能です。虫歯や歯周病などで悩まされている人は歯並びが原因となっていることもあるので、

子供が矯正するよりも痛みを感じやすい

大人になってから矯正を始めても、歯が動きにくいということはありませんが、子供に比べて柔軟性や適応力に欠けるので痛みを感じやすい傾向にあります。とくに治療を始めた当初は痛みが出やすく、思うように食事ができない方もいるようです。こうした痛みは1〜2ヵ月ほどで慣れてきますし、治療技術の発達で以前より痛みにくい工夫もされています。不安になりすぎないようにしてください。

大人の矯正は長い目で見ればコスパの高い治療と言える

歯並びや噛み合わせは、一般の人が考えるより、お口や全身の健康に大きな影響を及ぼすものです。歯並びの不正が原因で悩みを抱えている人は、早期に治療するほどQOL(生活の質や満足度)や治療費の面でメリットを感じられる可能性があるでしょう。

矯正治療は大人にとってはハードルが高いと感じますが、最近では技術の発達により、治療期間の長さや見た目などのデメリットは軽減されつつあります。気になる費用についても、クレジットカードや分割払いなどの選択肢もあるのです。無料相談を受け付けている歯科医院もあるので、一度話を聞いてみるといいでしょう。