「大人の虫歯」は再発しやすい!虫歯予防のための8つの方法

「大人の虫歯」は再発しやすい!虫歯予防のための8つの方法

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業
ひどい虫歯というと、自分で歯のケアがしっかりできない子供特有の悩みのようなイメージがあります。
ところが、再発しやすくて早期発見が難しいため、悪化しやすいのが大人の虫歯の特徴です。実は大人の虫歯ほど、やっかいなものはないのです。
ここでは、大人の虫歯が抱える問題と、効果的な虫歯予防の方法についてお伝えしたいと思います。

40歳代の歯を失う要因第1位は「大人むし歯」!?

40歳代以上の大人が歯を失う原因の第一位は、虫歯です(厚生労働省:平成28年 歯科疾患実態調査より)。
大人の虫歯は高い再発リスクがある上に、自覚症状が出にくいため、早期発見さえも難しいという問題があります。

虫歯になりやすい?生活環境セルフチェック

「自分は、虫歯になりやすいタイプ?」と感じることはありませんか?
世の中には、確かに虫歯になりやすい人と、なりにくい人がいます。お口にある虫歯菌が少ない人は虫歯になりにくいといえます。

虫歯になりやすい人の生活をチェックすると、生活習慣に特徴があることがわかります。
「毎日歯を磨いているのに虫歯になりやすいのは、なぜ?」と思っている人は、もしかすると生活習慣に原因があるかもしれません。
無意識のうちに、虫歯になりやすい生活習慣がクセになっていませんか?
虫歯になりやすい生活習慣チェック
    • 歯磨きは1日1回だけ。
    • 歯を磨かないまま寝てしまうことがある。
    • デスクワークや家事のおともに、甘い飲物を飲んでいる。
    • 甘いお菓子をダラダラと食べ続けることがある。
    • 口の中が乾燥しやすい。
    • 口呼吸がクセになっている。
    • 歯並びが悪くて歯を磨きにくい。
    • 虫歯を治療した詰め物や被せ物がある。
    • 歯医者にはあまり行きたくない。
    • 歯茎が炎症を起こしている、歯茎から血が出る。
上記の中で1つでも当てはまると、生活習慣が原因で虫歯になりやすいお口の環境をつくっている可能性があります。

大人の虫歯は治療した歯の再発が原因

大人の虫歯がやっかいなのは、以前、治療をした虫歯が再発することが多いからです。
虫歯に侵されて治療を行い、詰め物や被せ物を装着している部分は、長年を経て虫歯が再発することがあります。詰め物と歯のすき間に歯垢がたまって、そこから虫歯になりやすいのです。

静かに早く進行しやすい大人の虫歯

再発した大人の虫歯は、被せ物の内側に虫歯が広がってしまっていることがあります。外から見ても、虫歯に侵されているとわかりにくいのです。
歯と歯ぐきのすき間は虫歯になりやすい場所。そこが虫歯に侵されても、年齢とともに象牙質が内側に厚みがでてくる影響で、虫歯特有の沁みる、痛みがでる、という自覚症状がでるまでに時間がかかります。そのため、早期発見しにくいことも問題です。
気づいたときには、かなり進行してしまっているケースも少なくありません。

「大人むし歯」の予防法

虫歯予防の基本は、なんといっても食後の丁寧な歯磨きです。
大人は毎日多忙です。「歯磨きに時間をかけていられない」と、簡単にサッと済ましてしまっていませんか?手抜きの歯磨きを続けていると、後で後悔することになります。
毎日しっかりと歯垢を除去しておかないと、最初はやわらかかった歯垢が3~4日程度で硬い歯石に変わってしまいます。そうなると、もう自宅での歯磨きで除去することはできません。歯石がが虫歯菌の温床となって、どんどん虫歯リスクが高まっていきます。

①効果的な対策はフッ素

フッ素は、歯の強化作用が世界の公的機関で認められた有効成分です。市販の歯磨き剤にもフッ素が配合されていますので、フッ素を活かした虫歯予防を行いましょう。
フッ素入りの歯磨き剤で仕上げ磨きをしたあとは、口をゆすぎすぎないで、フッ素の効果がお口全体に行き渡るようにします。
予防歯科の先進国スウェーデンでは、フッ素ケアのあとは口をゆすがないそうです。そのケアを実践し、80歳以上の高齢者の残存歯数が、日本よりも8本多いという調査結果が報告されています。

②正しい歯磨きを行う

歯磨きは、1日3回の食事の後すぐに行うのが基本です。
夜、寝ている間に虫歯菌が繁殖するため、就寝前に、必ず歯を磨いてください。磨き忘れて寝てしまうのは、非常にリスクが高い行動です。
昼間は外出しているという人も、できれば携帯用の歯ブラシを持ち歩くようにすることをおすすめします。

そして、1日1回以上は、歯と歯のすき間をケアするためのデンタルフロスや歯間ブラシをプラスした丁寧な歯磨きを行うようにしましょう。

③食習慣の改善

食べる時間をきちんと決めないで、間食をダラダラと飲み食いしていませんか?虫歯をつくる大きな原因になります。
虫歯菌は、食べ物や飲み物に含まれている糖を取り込んで増殖します。常にお口の中に甘い成分が残っている状態は、お口の中を虫歯になりやすい環境にしてしまっているといえます。
食事や間食の時間はきちんと決めて、食べ終わったら歯を磨くようにしましょう。

また、デスクワークや家事のおともに飲物を用意する場合は、甘い飲物ではなく、カテキンたっぷりの緑茶にすると良いでしょう。
カテキンには殺菌作用があり、虫歯菌の発育を抑制する効果があるという研究結果が報告されています。
歯の表面に行き渡るように口に含む時間を長くすると、虫歯予防効果が期待できます。

④プラークコントロール

虫歯菌は、歯垢(プラーク)の中で増殖します。虫歯予防のためには、歯垢を除去するためのケアが必要です。
なんとなく歯を磨くのではなく、歯垢がたまりやすい場所をしっかりと磨き、除去していくことが大切です。
染め出し液などを使用すると、磨き残しがある場所が着色されるので、歯磨きが苦手な場所を把握することができます。そこを丁寧にケアして、確実に磨き残しを減らしていきましょう。

⑤キシリトールを使う

キシリトールガムやタブレットは、虫歯予防に役立つアイテムです。予防効果を得るためには、配合された甘味料のうち50%以上がキシリトールであることが重要です。

キシリトールを摂取すると、虫歯菌を減らすことができます。キシリトールがお口に入ると、虫歯菌が糖と勘違いをして取り込みます。けれども虫歯菌は、キシリトールをエサにして増殖することができないため死滅し、どんどん数を減らしていくのです。
虫歯予防の効果が認められたキシリトールは、FAO(世界食料農業機関)、WHO(世界保健機関)、合同食品添加物専門家委員会(JECFA)といった世界の公的機関でも安全な食品添加物として承認されています。
安心して摂取することができますが、大量に食べると下痢を起こすことがありますので食べ過ぎには注意しましょう。

⑥ストレスを溜めず免疫力アップ

虫歯予防の鍵は毎日の歯磨きです。
そして、虫歯は細菌の感染によって起こる感染症です。身体の免疫力が低下していると、感染しやすくなります。
免疫力を高め、感染リスクを少しでも低減させましょう。
規則正しい生活を送り、しっかりと睡眠をとり、栄養バランスの取れた食事を摂って、ストレスを溜めないようにすることが大切です。

⑦歯科医院で定期検診&メンテナンスを受ける

歯科医院で定期検診とプロによるクリーニングを受けることは、毎日の歯磨きと並んで虫歯予防の基本です。
セルフケアでは、どんなに磨くのが上手な人でも全体の80%までしか磨けないといいます。毎日の歯磨きでは落としきれない蓄積汚れをプロケアで取り除き、しっかりと虫歯予防を行いましょう。

⑧歯科医院でフッ素塗布

セルフケアでフッ素入りの歯磨き剤でのケアを行いつつ、歯科医院で3~4カ月に一度くらい、フッ素塗布を行うと、より効果的に虫歯予防ができます。

80歳で20本の歯を残そう

高齢になっても自分自身の歯で噛んで食べられる幸せを感じながら、豊かな人生を楽しみたいものです。
そのためにも80歳で20本の歯を残すことを目標に、虫歯予防を継続していきましょう。