インプラントでするCT検査とは?必要性や他への影響はあるの?

インプラントでするCT検査とは?必要性や他への影響はあるの?

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

インプラント治療を受ける前には問診や検査などをしますが、そのひとつにCT検査があります。ほとんどの病院やクリニックではこれを実施していますが、昔はレントゲン撮影だけで、CT検査が導入されたのはごく最近のこと。まだまだCT検査を導入していないインプラントの歯科医院もあります。

そこで、CT検査の必要性や費用などについて説明します。また、インプラントの治療後にCT検査はできるかどうかという疑問にもお答えします。

インプラント治療のCT検査とは

CTとは、体の断面をX線によって撮影し、体内の様子を詳しく知るものです。術前にはレントゲン撮影も行います。歯科のレントゲン撮影は全顎を診断するには有効ですが、顔全体は写すことができません。また、2次元画像のため、骨の高さや厚み、角度まで詳細に把握するには不十分です。

しかし、CT撮影はそれら骨の状態だけでなく、血管や神経の位置、上顎洞炎の有無などまでわかり、インプラント治療に必要な情報を手に入れることが可能となったのです。

CT検査の必要性

インプラントは骨に直接人工物を埋入する治療です。そのため骨の厚みや高さがないと、インプラントがはみ出してしまったり、突き出てしまったりする可能性があります。また、骨密度が少ないと、インプラントが骨とうまく結合できません。さらに、インプラントの手術では専用ドリルで穴を開けますが、口内は狭く、ほんの僅かのズレで神経や血管に触れてしまったら、体に重大な影響を及ぼします。

CTによる精密検査をすることで、顎の内部構造が鮮明にわかります。骨の状態や状況、粘膜の状態、神経や血管の位置を詳しく把握することで、より安全なインプラント治療をすることができます。また、最終的な人工歯の位置確認のほか、不必要な骨造成の回避をすることも可能です。CT検査によって、余計な切開をしないで済むため、患者さんの負担を減らします。

最近ではフラップレス手術と言って、歯ぐきを大きく切開せずに最小限の穴だけ開ければ良い手術も出てきました。フラップレス手術の術後は、時間を短縮できる上に痛みや腫れなどが少なく、患者さんへの負担が大幅に軽減できます。CT検査はフラップレス手術が可能かどうかも判断できるのです。

インプラント治療のCT検査Q&A

ここでは、インプラントのCT検査についてのよくある疑問にお答えします。

インプラント治療後はCTやMRIなどの画像診断ができないって本当?

医療機関で人間ドッグを受けようとすると「インプラントを入れている人はCTやMRI撮影はできません」と言われることがあるようです。しかし、それは昔の話。現在の最新機器では、そのようなことはありません。インプラントに使われる金属のほとんどはチタンで、チタンはCTやMRIに影響を及ぼさないことが分かっています。ただし、インプラント上部に磁石を用いた構造がある場合は、事前に歯科で取り外す必要があります。人間ドッグなどでCTやMRIを受けることになった際には、まずは歯科医に相談しましょう。

術前CT検査を受けたいんだけど?

現在でも、CT検査を行っていない病院やクリニックがあります。インプラント治療を受けると決めたら、まずはその医療機関にCT検査の機器があるかどうかを確かめましょう。インターネットで調べる方法のほか、電話で問い合わせてもいいと思います。

術前CT検査の体への影響は?

CT撮影による体への影響で心配なのは、被曝量だと思います。放射線は太陽や空気、食べ物などの自然界にもあり、私たちは日々の暮らしの中で自然放射線を受けています。人体への放射線による影響を表す単位は「Sv(シーベルト)」ですが、日本人の1人あたりが受ける自然放射線は1.5mSv(ミリシーベルト)ほど。それに対し歯科のCT撮影での放射線量は0.1mSvです。つまり、歯科のCT検査では、人体への影響はほとんどないと言えます。

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CT検査は具体的になにをするの?

CT検査では、最初に専用機器によってCT撮影を行います。その後、CT検査の結果を解析ソフトにかけて分析します。ここでは、インプラントを埋入する位置や深さ、角度などきめ細かくシミュレーションします。この一連の作業により、インプラントを入れる計画が立てられ、安全に治療を進めることが可能となるのです。

また、診断の結果を元に、患者側に治療計画の説明がなされます。他の歯に虫歯や歯周病が見つかった場合は、インプラント治療に入る前に治療が必要であることも説明されます。インプラント治療は費用も期間もかかるため、ここでじっくりと説明を受けましょう。

インプラントのCT検査費用は?

インプラントのCT検査は、自由診療のため病院やクリニックによって異なります。大体の相場は上下の顎で15,000円程度です。ただし、病院やクリニックによっては無料で提供している場合もあります。ほとんどの医療機関ではホームページを開設して費用などを公開しているので、診療に訪れる前にインターネットなどで調べると良いでしょう。

CT検査を受ける際の注意点

CT検査はX線を使用します。そのため、事前に以下のものは外しておきましょう。金属はX線を透過できないため、その部分の診断が難しくなります。

    • ピアス、イヤリング
    • ネックレス
    • ヘアピンや金属がついたヘアアクセサリ
    • メガネ、サングラス
    • 入れ歯
    • 肩こり・首こり用の磁気ネックレス
    • 磁石入りの絆創膏やシール
    • その他首から上に着けている金属類

撮影は首から上のみなので、特に着替え等は必要ありません

CT検査が受けられない人

CT検査が受けられない人は、以下のような人です。

    • 植え込み型のペースメーカーを使用している人
    • 妊娠している人
    • 妊娠の可能性がある人
    • 取り外しできない金属をつけている人

植え込み型のペースメーカーをつけた状態でCT撮影をすると、X線の影響によりペースメーカーの機能に不具合が生じてしまう可能性があります。また、CTはレントゲンよりもX線の影響やや大きくなります。妊娠中の人は安定期に入れば1本程度のインプラントは可能とする医療機関も多いですが、妊娠初期は控えましょう。妊娠している人は、歯科医師と産婦人科によく相談することをおすすめします。

安全なインプラント治療にはCT検査が必須です!

インプラントは骨に人工のネジを埋めて、その上に人工歯をかぶせるものです。ちょっと乱暴な言い方をしますが、顎の骨はとても小さいのに、もし勘や手探りで治療すると考えたら、とても恐ろしいですよね。いくら経験豊富で熟練の歯科医でも、人間なので完璧ではありません

CT検査はインプラントを安全に、より正確に骨に埋入するために必要な検査です。妊婦さんや体内に金属を使った人工臓器を入れている人を除いて、人体への影響もほとんどありません。インプラント治療をするなら、CT検査ができる設備が整った医療機関で行うことをおすすめします。